代表長谷亜希ノート

経営者として振り返る2024年度

先日、外部理事に2024年度の訪問型病児保育事業の数字を共有をした際、
「がんばったなぁ」とおほめのコトバをいただきました。
普段、経営者は褒められる機会がないので、正直、戸惑いました(笑)
でも、いただいたコトバをじっくり読みほどいていくと、「ほんとう頑張ったな」と思えた1年でした。普段は、課題と向き合ってばかりで俯瞰してみれてないなという振り返りにもなりました。

この1年を経営者として振り返ってみたいと思います。

経営の健全化に向かった訪問型病児保育。

価格改定よりも先行で人事制度を導入し、スタッフの賃金UPをした2023年度。
後発で、利用者向けに価格改定を実施。

人件費UP、物価高、世の中の流れを考えると賃金を上げることは絶対でした。正直、この価格改定は受け入れられるのか。と不安でしかありませんでした。今までのノーベルのセーフティネットとかけ離れていないか。
様々な葛藤がありました。

ただ、経営観点でみると、

●目標の下方修正の動きはあったけれど、売上・利益率は改善された
●来期の課題も明確になった
●成熟期のtoCモデルとしては結果を出せたのではないか

ということが数字から見てとれるなと思いました。

2024年度の戦略はリソースの最適化であり、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「知的財産」といったノーベルの経営資源を フル活用し、最大の成果につなげる。それが親御さんのためになると思い。

各チームはこの方針を元に着実にアクションを重ねてくれました。

例えば、病児保育だけでなく、子どもが元気な時のお預かりも過去最高のお預かり件数となりました。これは必要としている親御さんに届けるため、対応できるようにスタッフの配置の試行錯誤をしてくれました。

詳しい数字は、2024年度アニュアルレポートにて報告したいと思います。

人事・採用・労務を一本化

2024年度も継続して、組織づくりには投資を続けました。人事制度の運用・浸透、社内SNSの浸透、学びの提供などなど。
変化があったのは、人事採用チームの発足でした。今まで人事というチームは特になく、労務のメンバーと経営メンバーで様々な意思決定をしてきました。

ただ、ひとりひとりが強みを発揮し、より活躍できる組織づくりを目指すためにはそれを担うメンバーが必要だと考えました。

ノーベルで働きたい!という問い合わせから入職するまでサポートする「採用」、そして、入職後、スタッフたちを支える様々な制度づくりをする「人事」、そして日々の様々な困りごとや制度を活かしたサポートをする「労務」。
人に関わることについては、一貫性を持つことができるようにしました。

結果、コミュニケーションの取り方、情報共有方法が変化し、現場と接しているからこその意見がでてきたり、もう一段階上の制度づくりの議論ができ、基盤強化へとつながりました。

ノーベルは人がいてこそ!引き続き、組織づくりに力を入れていきたいと思います。

3年かけて、訪問型保育者向けの学びのプラットフォームが完成

Googleから85万ドルの支援をいただけることが決まったのは2022年でした。コロナ禍から1年が経過したころ、私は経営者として1つの決断をしました。「経営において優先すべきを働き手にする。」
私たちのスタッフはビジョナリーで、そもそもノーベルに共感して入ってきています。採用でもそこを大事にしています。であれば、そのスタッフを信じて、育成するという考え方自体をなくそう。学び合おう。やりたいことをやってもらおう。極論、ルールもマニュアルも必要ないんじゃないか。と思うようになったのです。

そもそも事業というものは利用する顧客側のことを考えて、サービス開発をします。お金を払う人、受益者のことを考えることが優先されます。ベネフィットを提供し、お金をいただく。そのためにどういったサービスを提供すればいいのか、どういった人材が必要なのか、人材要件定義、そして育成プログラムを考えるという流れでした。
当時、ルールばかりつくり、上から下へ共有していく流れがありました。整えることによって現場スタッフたちの可能性を制限している。そして、結果、事務局もがんじがらめになっているのではと思うようになったんです。
そこで、私自身が働き手のことを第一優先にしようというマインドセットをしました。
そこから挑戦が始まりました。
自律分散型の組織づくりを学び始め、学び合う場づくりの試行錯誤、パターンランゲージという手法を使って15年の保育ノウハウを体系化する作業、人事制度の構築、生成AIを活かした学びのプラットフォームづくりなどなど…。
そして、ついに…。
約3年かけて、誰もがいつでもどこでも学び、その人の可能性を最大限に活かすことができる「生成AIを活かした訪問保育者向けの学びのプラットフォーム」が完成しました!!

この詳細についてはブログにも書いているので、ぜひ読んでください。

#4 コロナ禍の新しい挑戦の連続と大切な気づき。方向転換へ
#5 私たちが目指す保育とは。12年の実践知から保育者も事務局も経営者も、みんなでつくる
#6 保育の担い手のための学びとつながる場づくりに挑戦。Google.orgインパクトチャレンジ採択決定
#7 世界で唯一のパターン・ランゲージカンパニーとの出会い
#8 訪問保育のパターン・ランゲージ制作。約300の保育の種から49個のパターンを抽出
#9 場づくりのプロから日本・世界のコミュニティの事例を学ぶ
#10 ティール組織・ビュートゾルフのあり方から学ぶ組織の仕組み
#23 働くスタッフがイキイキしてこそ目指す未来を実現できる!
#26 訪問型保育のパターンランゲージが完成!~ノーベルの訪問型保育は25のパターンからできていた~
生成AIを活用して、「訪問保育者向け学びのプラットフォーム」を試験運用開始

まだ世にないものを生み出す難しさ

2024年度、「子育て家族のまるごとサポート」はモニター家庭の方々にたくさん学ばせていただいた1年間でした。
テスト実施としてノーベルの病児保育を利用している会員さんを対象にモニターを募集し、1年間「子育て家族のまるごとサポート」を提供してきました。

正式に世の中にサービスとしてリリースすることを目的に様々な観点から、データをとっては学びを得て、改善していく流れを何回も繰り返しましたが、何よりも大切だと思うことが1つあります。
それは「ベネフィット」とは何かを明確にすることです。

事業というのは、そのサービスを利用する人がいて成り立ちます。その人がお金を払って、使いたいと思わなければいけません。お金を払う価値をどう提供できるのかが大切で、その価値とは?をしっかり言語化しなければいけないのです。

この1年間、モニター家庭から見えてきたまるサポの1つの価値は「第三者が入る重要性」でした。なぜこれがベネフィットになるのかも現場に入って納得でした。

それは、
 ・子育て家庭の日常は複雑である
 ・日々やることが変化する

からです。
複雑さと日々の変化に対応できる子育て家庭はほぼいないんだなと。それを理解する時間もないのが現状です。だからこそ、
「私たちがつくるのは、ベビーシッターであっても家事代行であってもいけない」ということを身をもってモニター家庭から知ることができました。

ただ、第三者が入りますよ!と言ってもそれは響くわけではない。どういうコトバをつくりだすのか、そこが大事だなと思っています。

「まるごと」のサポートが必要だけれど、それってどういうこと?を説明する必要性があると感じています。
産後ケアというものは過去にはありませんでした。必要性を感じた人たちが産後ケアというカテゴリーを創ったのだという学びを得ながら、今もなお正式リリースに向けて様々な議論をしている途中です。
まだ世の中にないものをつくる難しさを感じていますが、「親御さんの声、現場の声に忠実にありたい」と経営者としてブレずにいたいなと思います。

今年の夏のリリースを楽しみにしていてください!

経営者としての重要な役割。事業を支える資金調達。

経営者として重要な役割は資金調達。私たちのような小さい組織ではCFOはおらず、私がやっています。NPOの資金調達は特殊で、事業収入で成り立っているところ以外は助成金・補助金・寄付金・借入という手段を事業計画に基づいて、使い分けて調達しています。

私の役割は

・自主事業の財務モニタリング(売上・粗利率・利益率の定期的なチェック)
・組織基盤強化に投資できる資金確保
・セーフティネット構築に向けた資金調達(主に寄付)
・新事業の開発のための資金調達
・中長期的にみた事業開発における資金調達

2024年度は新しい事業を開発するための資金をGoogle.orgやCHANEL財団や複数の法人からいただけたことで地に足をつけた取り組みができました。
訪問型病児保育のセーフティネットをつくるための資金調達においては、ファンドレイジングチームをつくり、チームとして個人や法人からご寄付を今まで以上にいただくことができました。

来年度は新事業の正式リリースにより、今まで以上にスタッフ数も増えるので、さらなる資金調達が必要となってきます。それを支えるための資金調達のスキームづくりをこの1年間議論してきました。
来年度は、そのスキームの発表ができるようにさらに走り続けたいと思います。

最後に。
ノーベルの強みは地道に丁寧に着実に進めることなんだなと改めて思った2024年度でした。そして、今まで以上に多くの方々の応援をいただけた年でもありました。感謝申し上げます。

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