代表長谷亜希ノート

#6 保育の担い手のための学びとつながる場づくりに挑戦。Google.orgインパクトチャレンジ採択決定

2021年の春、World in youが開催するビジネスリーダーと非営利組織の経営者が、社会課題解決事業の経営について本質的な議論・協働を行う、6か月間の実践型のボードフェロープログラムに私と副代表の吉田、マネージャーの兼城と3名で参加しました。

それがきっかけで、World in youの代表山本未生さんと三代 祐子さんから「Google.org Impact Challenge for Women and Girlsのプログラムに申請してみませんか?」と連絡がありました。

このプログラムはGoogleの慈善活動部門Google.orgが全世界から「女性がもっと活躍するためのアイデア」を実現する団体・組織を募集し、総額 2,500 万米ドルの助成金を交付するというものです。たとえば、女性の経済的平等を阻むシステム上の障壁を取り除くもの、起業家精神を育むもの、経済的自立をサポートするものなどの取り組みが対象となります。

google

「保育の担い手」をテーマにGoogle.orgインパクトチャレンジに挑戦

ちょうど「げんきっ子保育をみんなでつくろうプロジェクト」がスタートしたころでした。新規事業の試行錯誤で、保育の担い手の課題や壁を感じ、2030年ビジョンブックに掲げた「担い手がイキイキとする土台づくり」の取り組みを、当初の計画より早めて先行したいと思っていたタイミングと重なり、このテーマでチャレンジすることを決めました。

日本の子育てと仕事の両立を、母親だけで頑張ろうとしなくていい、家族だけでなんとかしようとしなくていい、安心して第三者に頼れるような社会にしたい。子育てを社会全体でするために、保育の担い手がイキイキと働き続けられるそんな土台をつくりたい。

コロナに直面した私たちの2030へのロードマップ実現を加速させるためにも、新事業での試行錯誤を学びに「訪問保育の担い手の学びのプログラムづくり・つながりの場づくり」を形にしよう!挑戦しよう!!と申請書の作成にとりかかりました。

なぜ学びとつながりの場が必要なのか

訪問保育の特徴の一つは直行直帰の仕事であることです。

そのため、保育スタッフは、責任感も強く1人で抱え込みがちで、移動や1対1での長時間保育の負担もははかり知れないものがあります。

ノーベルでは毎月定期的に保育スタッフが集う会議を開催し、保育依頼が少なかった日は事務所に集い、保育スタッフ同士で話し合う機会を創業以来ずっと継続してきました。専門的な知識を学ぶ以外に、日々の保育での困りごとや悩み、嬉しかったことなどをシェアしあい、様々なケースをともに検討する機会があります。

そんな中で、研修をきっかけに仲間とつながり、学び合いながら、自分の持っている可能性や強みを最大限に発揮できているスタッフが何人も思い浮かびました。 学びのプログラムとは、ただ資格をとることや動画を見ることではなく「学び合い、つながることができるコミュニティづくり」がキーなんだと思い、ペンを走らせました。

ノーベル内で、コロナ禍でもオンラインで研修は継続していたものの、コロナ前のようなコミュニケーションの機会は減ってしまい、その影響を体感していたことも確信のひとつとなっています。

もし、これをノーベルだけにとどめることなく、いつでもどこでも誰もが「学び合い、繋がることができる訪問保育のコミュニティ」に参加できたら、イキイキとした担い手が増えるのではないか。 そして、子育て世帯から必要とされることで、保育の担い手者の社会的地位向上 につながることを目指せないか。子育て世帯にとっては頼れる存在が増えることで、当たり前に両立できるようになるのではないか。

そんな循環を生み出したい。 そう思い、一次審査の申請書を英語で提出しました。
(※英訳はWorld in youの代表山本未生さん、プロボノKentoさんがサポートしてくれました)

5月11日、1通のメールが届きました。 メールの題名が 【Google.org Impact Challenge for Women and Girls – official invitation to Stage 2】

1次審査を通過!!次の2次審査は2週間後。さらに具体化したプランとプランの概要がわかる90秒動画を提出します。

提出した動画です。ぜひ御覧ください。

 

この動画は同時に進めていた「げんきっ子保育をみんなでつくろうプロジェクト」での写真や、今までお世話になった会員さん、保育スタッフたちの写真で構成され、ここまできたなら採択されたい!という気持ちを込めました。 

そして、6月15日。第二次審査も通過!!最終審査は少し間が空いての9月22日のインタビュー。当日、私は子どもたちを寝かしつけ、緊張しながら、日本時間の23時にGoogleMeetに繋ぎました。審査が始まると思いきや、担当者の方から「Cogratulations!」と言われ、ノーベルが正式に採択されたのでした。

今回、全世界から約8,000件の応募があり、ノーベルはそのうちの34団体・組織の1つとして選出され、Google.orgより85万ドルの資金提供とアクセラレータプログラムへの参加機会をいただけることになりました。

訪問型保育者のための学びとつながりのプラットフォーム とは

私たちはこれを機に、<訪問型保育者のための学びとつながりのプラットフォーム>構築に着手することをリリースしました。

このプロジェクトでは、これまで12年の訪問型保育、保育者育成の知見を活かすとともに、 保育・医療・福祉・テクノロジー・コミュニティづくり等の各領域の専門家とも新たに協働し、訪問型保育に関する学びを体系的にプログラム化。オンライン上や対面で保育者同士が繋がり、ともに学びあえるプラットフォームを構築します。

ひとりひとりの子どもに合わせた遊びをともに楽しみ、親の子育てや生活にまつわる困りごとを聴き、必要であれば支援機関に繋げる等、親子に寄り添う保育者がこのプラットフォームを通じて増え、結果、親たちが頼れる存在を得て、安心して預け、働き、経済活動に参加する循環を目指します。

「げんきっ子保育をみんなでつくろうプロジェクト」でノーベルの「子ども観」「保育理念」「保育方針」が出来上がったころと同時期であり、試行錯誤の連続から、着実に流れが変わってきていることを感じたのでした。

そして、上記プログラムづくりが、現在、絶賛進行中です。その内容は改めて、お伝えしていく予定ですので、乞うご期待ください!

 

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