代表長谷亜希ノート

訪問型保育のパターンランゲージが完成!~ノーベルの訪問型保育は25のパターンからできていた~

私たちの目指す未来は働くスタッフがイキイキしてこそ実現できると思っています。

2021年頃から、かなりの時間とお金をかけ「保育の担い手がつながり学び合う環境づくり」に力をいれてきました。


今日は、担い手がつながり学び合う環境づくりの「学び」をどう作っているのかお伝えしたいと思います。

今年度も、大きな方針として、【訪問型保育の学びの浸透】を掲げ、保育に関わる知見を共有しあい、保育の質を高めていく学びの仕組みをつくることを以前のブログでも書きました。

その手段として、掲げているのが4つであることも書きましたが、

【1】パターンランゲージの活用・浸透
【2】スカッと委員会のバージョンUP
【3】学びの最適化
【4】世の中に訪問型保育の学びを拡げる

今日は久しぶりに【1】パターンランゲージの活用・浸透 について詳細を記載したいと思います。(1年半ぶり?!)

ノーベルの訪問型保育のノウハウを言語化する

訪問型病児保育をスタートしてから15年。創業以来、無事故を徹底し、親御さんからいただくアンケートは感謝の声が多く、5段階中の4と5が14年連続95%以上を占めています。

-なぜ子どもたちがノーベルさんにまたきてほしいと言うのか
-なぜ親御さんからノーベルの保育は質が高いと言われるのか
-なぜ「どの人がきても、安心」という言葉をいただけるのか

もちろん研修はしているけれど、それだけではない気がして、安心や信頼はどこからくるのか、現場で起きていることをもっと言語化しようという話になりました。

そこで出会ったのが株式会社クリエイティブシフトのパターンランゲージという手法。

パターンランゲージとは、すでに豊かな経験を持っている人から「コツの抽出」をし、他の人が「やってみたくなるヒント集」として提示するという、新しい「知恵の伝承&学び」の方法です。

このパターンランゲージづくりを、2021年の秋から始めました。

その過程は、以前2つのブログに分けて書きましたが、
#7 世界で唯一のパターン・ランゲージカンパニーとの出会い
#8 訪問保育のパターン・ランゲージ制作。約300の保育の種から49個のパターンを抽出

2022年10月までの共有となっていたので、今日はその後について書きたいと思います。

2年ほどの歳月をかけて完成!

最初は、保育スタッフにインタビューをしながら、
・保育スタッフが日々現場で意識していること
・様々なケースで判断する際の考え方
・子どもとの関係性の作り方
・親御さんとのコミュニケーションでこころがけていること
を聞き、保育の種を見つけていく作業をします。そして、それらをテキスト化し、カテゴライズしパターンをみつけていく作業を繰り返しました。
結果、約300の保育の種から49のパターンを抽出。

ここからまた大変な作業が待っていました。この49のパターンに対して、現場で起こりやすい問題や困りごとはこういうパターンで解決できるよねと1つ1つのパターンに当てはめて考える。

そうすると、
「このパターンとこのパターンは1つにできるんじゃない?」
「このコトバを●●に変えたほうがいいよね」
など、対話を通すことで、49パターンが減ったり増えたりを繰り返します。

数か月かけこういった議論をすることで、下記のようなカテゴリー分けができるようになりました。

パターンランゲージの概要図

そして、最終的には49のパターンは25パターンに絞られました。

ここから山場を迎えます。
1つ1つのパターンに対して、説明文を書いていく作業です。

1つのパターンを叶えたいと思っているときに、
・起こりがちなプロブレム(問題)を書き出し、
・そういった時はこういう風にするといいよというヒント、
・それををもとにアクションするとこういうふうに良い方向にいきますよ
という説明文です。

この作業に1年くらいかかったでしょうか。何度もああでもない、こうでもないと言い合いながら、最後にはみんなが納得いく作業ができました。

しかも、これで終わりではありません!1つ1つのパターンにイメージをもってもらうため1パターンに対し、1イラストを作成する作業が待ってました。見ただけでどんなことを伝えているかがわかるイラストづくり。こちらも何度も何度も繰り返し、25個のイラストが完成したのでした。

訪問型保育のパターンランゲージを1つだけ公開!

2年半かけて、やっと完成した訪問型保育のパターンランゲージ。

現時点ですべて公開することは考えていません(いずれは出版できたらなとは思っています)。
ですが、この25個のパターンランゲージがどう活かされ、学びとつながるのか、1つだけ公開したいと思います。

保育のお仕事がない日に保育スタッフは出社し、パターンランゲージ学習を実施していますが、先日の全社会議で、どう活かされているかの共有がありました。

例えば、パターンランゲージの1つである【No3:ありのままの観察】について。
このパターンでは簡単にまとめると下記のようなノウハウが書かれています。

【No3:ありのままの観察】

・秘訣は “思い込みフィルターを外す”こと。
・目の前の子どものことを理解し、応えていきたいと思っています。

ありのままの観察

▼そういうときに
こうした方がいいのではと自分の考えを優先してしまったり、事前情報からこうに違いないと思い込んだりすることで、意図しないうちに主体が子どもではなくなってしまうことがあります。
子どもにとって世界は未知や“わからなさ”にあふれ、それゆえ試行錯誤や失敗を重ねます。
ところが大人や保育者はそんな子どもを思いやるあまり、必要以上に先回りをして手を施したり、「きっとこうしたいに違いない」と自分の考える正解へ導いたりしがちです。しかしそれでは本来子どもが大事にしたかったことに気づくことができず、目を輝かせる瞬間や機会を逃すことにもなってしまいます。

▼そこで
先入観を持たず目の前の子どもの今を観察し続けることで、子どものサインを見逃さないようにし、それに合わせたかかわりをしていきます。
子どもを大事にすることは、子どもの“今“を大事にすることだと考えて、「目の前にいる子どもは今、どうしたいと思っているのか」という点に注目してみます。
たとえば、子どもの動きや表情を保育者が“生実況”するように声をかけながら見ていくと、子どもの反応や変化も丁寧に観察できるでしょう。また、そのとき保育者は、子どもに何かをさせるのでなく、子どもから何が出てくるのかを楽しみに見届けるようにします。そのなかで子ども自身が興味を示した物事があれば、どこがどのように面白いのかとさらに一歩踏み込んで目や耳を傾けてみます。
子どもとの距離はすぐに縮めようとせず、どこまでなら大丈夫かを子どもの目線や反応から見極め、かかわり方をつねに子どもの視点に立って探っていくようにします。

▼そうすると
今、目の前にいる子どもの発信していることや、何をどうしたいのかという思いに気づけるようになります。
その思いや姿を大事に受け止め、それに応じたかかわりをしていくことは、子どもにとっての安心や満足感にもつながっていきます。
保育者がこのような実践をつねに心がけていくことで、それぞれの子どもの“今”に合ったオーダーメイドの保育が実現されていくでしょう。

このように、パターンの説明、子どもに対する接し方に関するノウハウや助言が書かれています。それを読んだうえで、日々の自身の保育を振り返ってもらったり、グループで共有して対話することをしているのですが、その中ででてきた学びの事例をそのまま共有します。

次に紹介するのは、保育スタッフ自身がこの1つのパターンを選択し、自身の保育を振り返った時の文章です。

一期一会が多い病児保育。

1日が子どもにとって安全で安心であるように、それが親御さんの安心につながると思い、日々保育スタッフは様々な工夫をしています。

それがわかるものだなと、またこういった事例が他のスタッフに伝承されていくんだと。これを聞いたときに、現場では1件1件の保育に向き合っていて、とても感動したことを覚えています。

15年間蓄積してきた強みがコトバとなって出来上がったことで、さらに学びが活発になり、保育の質は高まっていくでしょう。

引き続き、保育に関わる知見を共有しあい、保育の質を高めていく学びの仕組みをつくっていきます。

 

TAG

この記事をシェアする

この記事をシェアする
  • LINEで送る
この記事をシェアする
両立をつくりなおすメールマガジンに登録

RELATED POSTS

ノーベルが描く未来と今
2024.06.03

代表長谷亜希ノート

#25 モニター実施でみえてきた新事業「まるサポ」に必要なこと。そして、新スタッフ募集へ!
ノーベルが描く未来と今
2024.05.17

社会の課題

遺贈寄付の疑問や不安を解消するガイドブック完成
ノーベルが描く未来と今
2024.05.07

代表長谷亜希ノート

#24 代表として、チカラを入れる3つの役割