(2024.04.15更新)
2024年度の事業戦略テーマは「最適化」ーこれからのノーベルが取り組むこと
こんにちは、ノーベル広報の徳増です。
4月も中旬を迎え、自然の息吹が感じられる季節になりましたね。
花見やピクニックなど、アウトドア活動が楽しい気候となりましたが、皆さんどのようにお過ごしですか?
さて、ノーベルは4月から新たな年度がスタートしました。先日、保育スタッフ、本部スタッフそれぞれが全社で集まって、昨年度の振り返りと今年度の事業計画を各部門から発表するロングミーティングが行われました。今回は、その場で話し合われた新年度の主な取り組みをお伝えします。
病児保育の利用者さま、寄付者の皆さま、パートナー法人の皆さま、それ以外にも様々な形でノーベルに関わり力を貸してくださっているすべての皆さまに、ノーベルの活動を知っていただき、今年度も皆さまと一緒に子育てしやすい社会に向けて活動していきたいと思っています。
今年度のテーマは「最適化」
昨年度は「選択肢を増やし、たがやす」をテーマに活動しました。特に大きなトピックとなったのは、新事業「子育て家族のまるごとサポート」を発表。病児保育のノーベルから両立を総合的にサポートするノーベルへとシフトチェンジする第一歩として、親御さんが病児保育以外の両立における困りごとを解決するサポートのテスト実施を開始しました。また、処遇改善のために人事制度を導入したほか、多様な働き方の実現を目指し保育スタッフの新職種「短時間勤務」(トライアル導入)を新たに設けました。「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」実現のための新しい仕組みづくりに取り組みました。
今年度は、「リソースの最適化」をテーマに、昨年度までにノーベルが作ってきた仕組みやサービスをさらに発展させ、定着するよう活動します。ノーベルのヒト、モノ、情報、時間、知的財産、といったノーベルの経営資源をフル活用してノーベルが目指す、子育てしやすい社会に向けた取り組みを前進させます。
それでは最適化の中身を具体的に見ていきたいと思います。
訪問型保育の最適化:ひとつでも多くのご家庭の両立サポートを提供できるようにします
■広報活動の再開で、ひとつでも多くのご家庭に情報発信
病児保育をより多くの方に知っていただけるよう、広報活動を再開します。
現在、約1,200人(24年3月現在)の親御さんに病児保育を利用していただいていますが、まだ十分にサービスを提供できているという状態ではありません。むしろニーズや関心は高まっており、病児保育をより多くの方に届けることの重要性は高いと感じています。
一方、昨年度は複数の感染症の同時流行により、例年をはるかに上回るご予約を受け、残念ながらお断りせざるを得ない日が続いた時期もありました。長期間入会制限も続き、サービス利用の呼び掛けを控えていましたが、病児保育を安定して提供できる体制が整ったため、今年度は積極的なご案内をしていきます。
■「げんきっ子保育」をもっと使いやすく
「げんきっ子保育」をよりご利用いただきやすいサービスにします。
「げんきっ子保育」は、保育園・学童・習い事の送迎、親御さんのお仕事はもちろん、通院、勉強、リフレッシュなど、日常の「ちょっと困った」ときに幅広くご利用いただけるサービスです。
病児保育の予約状況によりご利用いただけない場合があるのですが、今後はご予約状況をタイムリーに情報発信するなど、ご利用いただきやすくなるよう改善していきます。
もし両立で困っているご家庭が周りにいたら、ぜひノーベルをご紹介ください。
保育スタッフの採用の最適化:多様な働き方を受け入れ、仲間をひろげます
今年度は、保育スタッフの採用をさらに強化します。
多くの親御さんに病児保育を使ってもらうためには、それを支える担い手の採用、育成も欠かせません。
保育スタッフの多様な働き方が実現するよう昨年、新職種「短時間勤務制度」を導入しました。
ノーベルのビジョンには共感するけれど、「朝の8時からの勤務は子どもの見送りがあるから無理」「夕方は子どもの習い事の送迎があるから働けない」などでこれまでノーベルで働くことを諦めていた方も、ご応募いただけるようになりました。
まだトライアル導入の段階ですが、今年度は、この新制度を活用した新スタッフが増え、また現保育スタッフの働きやすい環境が整うことで、より多くのご家庭に保育を届けられると期待しています。
「子どもに関わる仕事が好き」「1対1の保育でじっくり子どもと向き合いたい」など、多くの方と出会い、一緒に子育てしやすい社会を目指していきたいと思っています。
お仕事説明会も開催しておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
保育の担い手の学べる場の最適化:イキイキと働き続けられる環境づくりをアップデートします
ノーベルは今年度も保育スタッフがイキイキと働き続けられるための環境を充実させていきます。
保育スタッフは、その日保育に出動しなかったメンバーが事務所に出勤し、「スカッ!と委員会」で知識や経験を共有しています。
「スカッ!と委員会」は日々の保育で直面する課題やお困りごとを解消する貴重な場なのですが、今年度はさまざまな学びを体系的にストックし、いつでもどこでも疑問やお困りごとを解決できるような取り組みも予定しています。
また、今年度完成予定のパターン・ランゲージも学びに活用していきます。
パターン・ランゲージは、社内の研修の教材にするだけでなく、出版も目指しています。
多くの方に読んでいただくことで、保育の質の向上や、担い手育成に貢献したいと思っています。より多くの方にノーベルの訪問型保育の中身を知っていただき、興味を持っていただけたらうれしいです。
新事業「子育て家族のまるごとサポート」の最適化:ご家庭のニーズをとらえ、両立を総合的にサポートできるサービスをつくります
今年度スタートした新事業「子育て家族のまるごとサポート」のモニターは現在第三期目の初回面談がスタートしています。第一期モニターのご家庭では、実際にケアスタッフが入り、暮らしのサポートが始まり、さまざまな困りごとがすこしずつ解決しているご家庭も増えてきました。
これまでのブログでもお伝えしている通り、子育て家族のニーズは多様です。
より多くのご家族の仕事と家庭の両立をサポートしていけるよう、何が親御さんのサポートにつながるのか、どうサポートしたら親御さんのためになるのか、本年度も引き続きサポートのあり方を検討し、より多くのご家庭に使っていただけるサービスになるよう本格導入に向けて事業をブラッシュアップします。
ひとり親、スペシャルニーズっ子家庭へのサポートの最適化:ドノ親子ニモ応援団プロジェクトの活動推進します
ノーベルは今年度、所得や障がいの有無関係なく必要な人は誰もが利用できる病児保育のセーフティーネットをさらに広げていきます。
ノーベルは、経済的な困窮を抱える「ひとり親家庭」と、お預かりに専門性が必要となる「スペシャルニーズっ子家庭」には、ご寄付を財源に病児保育を安価で提供するサポートを展開しています。それが「ドノ親子ニモプロジェクト」です。
ひとり親家庭は、非正規雇用の割合が高く、病気のたびに仕事を休めばそのぶん生活収入に直結し、さらに休みが続けば解雇されてしまうリスクもあり、いつでも頼ることのできる訪問型病児保育がなければ、安定した生活を安心して送ることはできません。
「スペシャルニーズっ子家庭」では、利用できる保育サービスが限られるため、母親の9割が働くことを断念しています。さらに、障がいのあるお子さんをお預かりするためには、スキルも人数も一般の保育より必要なため、高額になる傾向がありますが、ノーベルは安価で病児保育を提供し、親御さんが安心して働き続けられる環境を提供しています。
今年度は今の倍の100人以上のひとり親家庭とスペシャルニーズのあるお子さまのご家庭の入会を募る計画を立てていますが、そのためにまだ年間1400万円の資金が不足しています。
もしノーベルの活動を応援していただける方は、
・単発のご寄付
・継続的なご寄付
などのご支援方法がありますので、ご協力お願いします。
人事制度の最適化:イキイキと成長し続けられる環境づくりをします
ノーベルでは、今年もひとりひとりがやりがいを感じながら働ける環境整備を進めます。
先日のブログでもご紹介したのですが、昨年は働き手がノーベルのビジョン達成のために何ができるのか、どうしたらいいのか、をともに考え、成長する、いい「学びの循環」が生まれた年でした。
今年度から「処遇改善」「多様な働き方を包摂」「学び・成長をサポート」を軸とした人事制度(評価制度)が導入されたことで、「ステップ」(等級)ごとに期待されていることや報酬が明確になり、ノーベルでモチベーション高く、長く働き続けられるようになりました。
昨年生まれた「学びの循環」をさらに充実させ、スタッフひとりひとりが「目指す姿」をもって楽しみ、自身の可能性を最大限発揮できる組織を目指します。今年度はこの制度をひとりひとりが具体的に運用しながら定着を進めていきます。
今年、ノーベルは設立15周年を迎えます。
私たちが創業当初から目指しているのは「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」です。
かつてはみんなで助け合いながら子どもを見守ってきたのに、核家族化の影響もあり、今は多くの家庭が両親で協力し合い仕事と両立しながら子育てをしています。そして、人に相談することができず、悩みを抱え込んでしまっています。
どうしたらみんなで子育てをする社会を創っていけるでしょうか。
節目の年に、これまでノーベルが蓄積してきた保育のノウハウや社会のセーフティーネットを最適化し、両立を総合的にサポートするための取り組みをさらに前進させる年にします。
今年度もどうぞノーベルの活動へのご支援をよろしくお願いします。
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