(2022.11.22更新)
心身の余白づくり
ノーベルのワーママ体験談|我が家のアンコンシャス・バイアス問題
こんにちは。ノーベル事務局です!
今回は、我が家で実際にあった「アンコンシャス・バイアス問題」についてご紹介しつつ、男女の育児や家事に対する意識の差についてのお話をします。
アンコンシャス・バイアスとは…
アンコンシャス・バイアスとは、日常の言動として現れる「無意識の偏見」のことです。いつでも・どこでも・誰にでも存在します。特に性別に対する思い込みや偏見は「ジェンダーバイアス」として社会や個人の中に根強く残っており、家庭や地域、学校、職場など社会の様々な場面に大きな悪影響を及ぼしています。
まず、私の自己紹介をしますと…
会社員の夫、小学1年生と幼稚園年中の子どもの4人家族で、わたし自身はノーベルでパートタイム勤務をしています。
ワンオペ育児に追われる女性
毎日、家事・育児に忙殺されており、夜9時にはHP(体力)がゼロになって寝落ち、あっという間に1週間が過ぎ去っていくという生活をしています。
(子どもの送迎、習い事の送迎、宿題や学習の進捗管理、学校・幼稚園の準備物用意、夕食作り、入浴、寝かしつけ等々…)
先日、「ワンオペ育児における課題点は、夫の長時間労働による家事育児時間が取れないことではなくて、実はジェンダー意識の問題である」という記事を読みました。
家事・育児が妻に偏る理由 原因は男性の長時間労働…だけじゃない?(朝日新聞)
つまり、妻の家事・育児がワンオペに陥ってしまうのは、自分たちも意識していない「女性はこうすべき、男性はこうだ」という無意識の中にあるジェンダー的な「意識の志向」が原因であり、この意識が個人にも社会にも相当深く根付いていて改善が難しい問題であるということです。
我が家のアンコンシャス・バイアス
ここで、我が家の話を紹介します。
夫は企業に勤める、いわゆる中間管理職、最近はコロナ禍の影響で7割〜8割は在宅勤務をしています。夫は料理が趣味で(コロナ禍で目覚めた!)朝食はほぼ毎日、夕食は在宅勤務時と週末に担当してくれています。
きれい好きなので、朝食後は後片付けやダイニングの掃除、幼稚園の子どもの送り出しまで担当しています。(娘の髪の毛も一つくくりですが出来ます^^)
以前はアパレル企業で仕事をしていたので、洗濯も畳むまで完璧!にこなせます。
そう、なんでも1人で出来てしまう育児・家事スキルの非常に高い夫なのです!
そんな何でも出来てしまう夫ですが、私がいつも「??」と思うところもあります。
それは、毎朝「子どものお迎えは何時?」と私に聞いてくること。
我が子の通う幼稚園では、お迎え時間は事前申告制なので、預かり保育カードにお迎え時間を記入しなくてはいけません。そのお迎え時間を毎朝、私に確認をしてくるのです。
お気づきでしょうか?
私をイラっとさせるポイントは「なぜ、私がお迎えの主責任者になっているのか?!」というところです。私が送迎の時間を管理する、ということは、一日のなかで最も慌ただしい朝と夕方の時間を(そしてその後の時間も)、私がワンオペする、ということになります。
夫は週の7割〜8割は在宅勤務をしています。だから、自分のスケジュールを確認してお迎え時間を決めればいいわけです。妻である私に都度確認をしなくても、自分のスケジュールと相談をすれば良いのです。なのに、来る日も来る日も私にお迎え時間の確認をしてくる…。
私は在宅勤務の日もあれば、出勤の日もあります。
子どもの送迎をしてほしい日は、前の週には次週の予定を夫に告げて調整しています。
そして、前日にも釘を刺して、子どもの送迎を忘れないように伝えています。
一方、夫は自分の仕事や飲み会の予定が入ったら、言葉こそ「行っていい?」と相談を持ちかけて来ますが、私に拒否権はありません。彼は必ず行ってしまうのです。そうなると、その日は1日、妻である私の”ワンオペ”となります。
子ども2人を幼稚園と学校へお迎えに行き、習い事の日は習い事にも連れていき、帰宅してから夕食準備→宿題管理→入浴などなど、1日のルーティンを粛々とこなしていきます。
これが、逆の立場だとどうでしょう?
例えば、私が勤務後に美容院に行くとします。
そうすると夫は、「明日の送迎どうしよう?在宅勤務で会議が17時まで入っている」と相談してくるのです。「会議後にお迎えに行けばいいんじゃない?」と言うと、「2人とも?!俺1人で??」と大騒ぎ。さらには「晩飯作られへんから、帰りに惣菜買ってきて!」とまで言い出す始末…。
私が日々、1人で粛々と行っているルーティンが、夫にはさも一大事となってしまうのです。
ここに夫のアンコンシャス・バイアスが潜んでいるのではないか?と、私は思っています。
・妻がパートタイムの仕事を選んだのは、家事育児を優先するため
・妻がパートタイマーなのだから、子どもの送迎は妻が担当すべき
・子どもが病気になったら、妻が休むもの
などなど。
確かに、私は家庭を優先するために、フルタイムの仕事ではなく、パートタイムの仕事を選びました。子どもが風邪をひいたら看病しなくちゃダメだし、夫が転勤族だったのでフルタイムの仕事はムリ!とも思っていました。
もしかすると、そこには私の中のアンコンシャス・バイアスが働いたのか?!とも思います。
このように、一般的な男性より、家事・育児に参画しているであろう夫と、その妻である私の中にも潜んでいるアンコンシャス・バイアス。改めて自分の身に置き換えて考えてみると、根深い問題であると感じました。
この無意識の思い込みである「アンコンシャス・バイアス」を社会全体で、意識的に変革していかなければ、女性の家事育児時間の負担を軽減することはできないのではないでしょうか。
ノーベルが目指す「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」の実現には、ただ仕組みを整えるだけでは解決しない課題があることを最近ひしひしと感じています。
お互いの無意識を可視化してみる
社会全体で変えていくことが大切なアンコンシャス・バイアスですが、そうは言っても、「いま、まさに困ってます!」という状況の方も多いと思います。
内閣府の男女共同参画局では、夫婦が本音で話せる魔法のシート「○○家作戦会議」というシートを無料で配布しています。こちらを参考に、夫婦で話し合ってみるのも一つの手段です。家事の分担の可視化にもつながり、お互いの大変さがわかるのではないかと思います。
また、『仕事も家庭もうまくいく! 共働きのすごい対話術』という書籍もおすすめです。
こちらにも、夫婦での役割分担やジェンダー意識を変える夫婦間でのコミュニケーションのコツがたくさん紹介されています。「対話」というと、とても大変なイメージがありますが、はじめから完璧を目指さず、少しずつ対話を重ねていくことなど、たくさんの学びがあります。
ジェンダーのアンコンシャス・バイアスを変えるために
内閣府では毎年ジェンダーに関するアンコンシャス・バイアスの調査を行っています。
こちらをみると、まだまだ世代を問わず、社会の中で根強く男性・女性の規範を内面化していることが読み取れます。(参考:令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究)
ノーベルも母親だけがしんどい両立を変えるために、いま新しい事業の起ち上げに奔走しています。
保育者も地域の⽅もお勤め先も⾏政も、みんなが⼦育てに携われる仕組みをつくり、お⺟さんやお⽗さんの努⼒だけで成り⽴つ両⽴から、頼りあえる社会の実現に向けて、今後もプロジェクトを進めていきますので、ぜひ温かく見守ってください。
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