(2022.08.31更新)
2030ビジョン提言
#2 2030年へのロードマップ | 子どもを産んでもフツーに両立できる社会をどうつくる?
ノーベル代表理事の高亜希です。
私たちは「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」を目指しています。
子育てと仕事の両立をする母親は増えている一方で、
令和となった今でも、育児家事は母親が大半を担い、負担が偏っていること、
母親たちの努力と忍耐で成り立つ両立を変えたいと、
前回の記事では、ノーベルが解決に向けて取り組む社会課題をお伝えしました。
理想とする子育てと仕事の両立とは?
産後、希望通りに働けていない母親たち。その家族。悩みを抱える親御さんが、どのようなサポート(事業)があれば、子育てしながら働くことができるのか、2018年から1年以上かけて、議論を重ねました。
そして出来上がったのが、以下の両立構造改革マップです。
母親たちを取り巻く家庭や職場の環境、個々人の状態はまちまちです。ただ「その環境や状態に左右されず、母親たちが自身の理想や希望にふたをせず、自分の意思を尊重して働くことができる」そんな状態を目指したいと私たちは考えました。
そのために必要なことは何か。私たちの理想とする子育てと仕事の両立とは。
・納得して働ける
・納得して預けられる
・時間・心身ともに余白を持っている
この3つの軸が揃えば、子育てと仕事の両立ができているといえるのではないかと。
そしてこの3つを実現させるために必要な役割、事業とは何か。
2030年に向けたロードマップを描き、「2030年へのVISION BOOK」として1冊にまとめました。そして「訪問型病児保育のノーベル」から「総合的に両立をサポートするノーベル」にシフトチェンジすることを、私たちは決めたのです。
【実際のVISION BOOKはこちらからお読みいただけます≫ビジョンブックPDFファイル】
総合的に両立をサポートするノーベル が取り組む5つの領域とは?
私たちノーベルが2030年に向けて取り組む5つの領域をご紹介します。
働く親御さんの子育てと仕事の両立にとって大切な3つの軸と、それを支える「子育ての担い手」と「社会全体」への取り組みを加えたものです。
1.納得して働く
子育て中だから、時間に制約があるから、頑張ってても評価されにくい…仕事を任せてもらいづらい…仕事を休むと肩身が狭い… どこかで我慢して働いているたくさんの声を聴いてきました。子育て中だから仕方ないと思っている母たちも大勢います。
一方で子育て中も自分のやりたい気持ちをかなえてイキイキと働ける職場や環境もあります。私たちは、そんな事例やノウハウを発信したり、相談できる場づくりなど、良いロールモデルを知れる環境づくりに取り組んでいきます。
2.納得して預けられる
預け先がないから仕事を辞めた、自分のペースで少しずつ働いてみたい、そんな声も多く届きます。家庭のニーズにマッチした預け先がないために働くことを諦めている現状を解決していきます。
どんなところに子どもを預けたいか、自分の働き方にマッチした預け先はどんなところか? そんな各家庭のニーズに応えられる今あるさまざまな預け先を親御さんたちに知ってもらい、連携していきます。またノーベル自身も、訪問病児保育の拡大のほかに、多様な預かりを実践していき、保育園ではカバーしきれない親御さんたちの困りごと、ニーズに応えていきます。
3.時間・心身ともに余白を持つ
「保育園にも預けられている、やりたい仕事もできている、でもなんでこんなにしんどいんだろう…」 母親の忍耐・努力でなんとかなっている両立を変えるには、この”余白を持つ”親御さんをどれだけ増えるかが肝心です。
「誰かに頼っていいんだ」とぜんぶ抱え込まなくていいことを自覚することからはじまります。余白をつくるためのサービスの情報提供や、両立に役立つスキルアップのノウハウ、相談の場づくりなどに挑戦していきます。
4.子育ての担い手がイキイキする土台をつくる
親でもない先生でもない「子育ての担い手さん」がいてこそ、親御さんは子どもを預けることができ、頼ることができます。親御さんとともに子育てを担う保育者がもっともっと必要です。
私たちはお仕事を提供するだけでなく、学びあい、つながれる場をつくります。それぞれが強みを活かしたキャリアのステップアップができる道筋をつくっていくことで、より働きがいを感じて活躍する担い手さんを、地域で増やしていきます。
5.社会全体で両立環境をつくっていく
「納得して働く」「納得して預ける」「時間・心身ともに余白がある」この3つをかなえる両立を実現するためには、社会全体の理解と後押しがないと進みません。
子育て支援サービスを誰もが利用しやすくなるように、経済的負担をおさえるバウチャー制度(補助券制度)を行政に提言をしたり、個人・法人からの寄付や制度などの支援を拡大していくためにも、社会への啓発活動を行っていきます。
2030年に向けた10年ロードマップ
実際にご紹介した5つの領域の取り組みを10年間でどう進めていくのか、それをまとめたものが以下のロードマップです。
壮大なチャレンジです。
でも10年間、働く親御さんの声に真摯に寄り添い、サービスを改善し続けてきた私たちだからこそできるチャレンジでもあります。
まずは、私たちが培っていた経験を最大限に活かせる「預ける」領域で、拠点型一時保育を新規事業としてスタートすることを決めました。
私たちはこの構想を、団体設立10周年パーティーで発表し、さらに10年目にして初のクラウドファンディングにも挑戦!この2030年に向けた取り組みに対して、総勢333名の方が支援を寄せてくださり、スタートを切りました。
しかし2020年1月、一時保育施設OPENと矢先にはじまった新型コロナウイルスの感染拡大。2030年ロードマップは大波乱の幕開け!!
次の記事では、このロードマップ序章となる新規事業・拠点型一時保育の実践についてお伝えしていきます!
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