ノーベルと学ぶ保育

保育スタッフ研修|小児救命救急研修を学ぶ

こんにちは!ノーベル事務局です。

ノーベルでは全保育スタッフに向けて、小児救命救急研修を年に2回開催しています。

一度学んでも時が経つと知識は薄れ、忘れていくものですが、定期的に実施することで保育スタッフに実践力をしっかり定着させていくことが狙いです。

本来であればスタッフが事務所に集まり皆で実技を行うところですが、コロナ禍であることを考慮し、初めて救命救急を学ぶスタッフ以外はオンラインで受講しました。 ペットボトルを使って心臓マッサージを行うなど、自宅でも実技に取り組めるよう工夫しました。

今回のテーマは「救命救急研修 保育現場に潜む危険~その実態と対処法について~ 乳幼児救急蘇生法」講師は、ノーベル立ち上げ期からお世話になっている「すまいる舎こども救命講習センター」の前田 祐宏先生です。

救命救急講習

保育にのぞむ心構え

冒頭に先生から、乳幼児救命救急とは何か、保育現場にのぞむ際の心構えについてお話がありました。
これだけ時代が進んでいても、残念なことに小児の死亡事故はゼロにはなりません。
なんとか子どもたちを救おうと、保育従事者は定期的に救護法を学んでいますが、実際その場に遭遇すると頭が真っ白になってしまうもの。
では、いざというときにパニックにならないためには、どうすればよいのでしょうか。

常に気持ちの準備・意識をもって仕事に取り組むこと。
救急車の到着まで、慌てず冷静に子どもたちの命をつなぐこと。
それは決して技術的に難しいことではないということを、この研修を通じて体得すること。

身の引き締まるお言葉をいただき、さらに踏み込んだ内容へと研修は進んでいきます。

◆心肺蘇生法とその重要性

心肺停止が起こった場合、血液の循環が止まり、脳への酸素供給がなくなって、4分後には、運動機能をつかさどる大脳から壊れていきます。
つまり、たった4分で完全な社会復帰(身体に障害が全く残らない)が難しい状態になり、10分後には蘇生の可能性がほぼ100%なくなってしまうのです。
見つけた瞬間に行動することが重要であり、実際に倒れている子どもを見つけたら、次の手順で心肺蘇生を行います。

心肺蘇生の訓練

①まず落ち着いて、手袋を装着

②叩いて、呼んで、意識があるかを確認

③おでこに手を当て、あごを上げる <気道の確保、呼吸の確認>
<意識がなく、呼吸もなかったら>それは心肺停止状態です。

④119番通報とAEDの手配 

⑤心臓マッサージ(胸骨圧迫)30回
血液(酸素)を脳へ送ることを意識して、絶対にあきらめない、継続することが重要。
1歳未満の乳児の場合は、中指と薬指の2本で4センチを目安に圧迫するようにします。

※ガイドライン2020から、親指2本での圧迫が再度奨励されました。

⑥人工呼吸 2回 

⑦AEDの使用

心臓が正常に動いている場合は、誤って電気ショックボタンを押しても電気は流れません
ですので、怖がらず積極的にAEDを使うことが命を救う上で重要なのです。
あとは救急車が来るまで、ひたすら胸部圧迫と人工呼吸を繰り返します
何よりも大切なことは「絶対に諦めない 」それが大切な命をつなぐことになります。

※AEDとは自動体外式除細動器(心臓の痙攣を止める器械) 
役割は3つ(①心電図の解析…心臓の動きを調べてくれる。②除細動…電気ショックで痙攣を止める。③心臓の管理…救急隊に引き継ぐまでの間、傷病者の心臓を管理してくれる。)

AEDとは

喉詰めの対処法

「喉に物を詰まらせて窒息する」、小さなお子さんによく発生する事故のひとつです。
そのような事態になったときのために、保育現場での対処法を教えていただきました。
医師ではない私たちは詰まった物を取ることはできませんが、気道の閉塞を解除することで対処が可能です。

① 苦しそうにしていたら、まず声かけを
声が出るか出ないかの確認をします。はっきりと発語できず、声が出ない場合は、窒息と判断します

②窒息を確認したら、即119番に通報 

③背中を叩いて、空気の通り道をつくる※小学校低学年以下対象
顎を手で支え、膝をついた状態で太腿の上で体を固定させ、背中を叩きます

④閉塞解除を行っている間に意識がなくなった場合は、心肺蘇生を行う
心肺蘇生を行い、救急車の到着を待ちます

いざというときに動けるように

今回は上記内容に加えて、熱性けいれんの対処法も教えていただきました。
また、研修後スタッフからいただいた質問には、必ず回答をフィードバックしています。
ノーベルの保育は基本1対1なので、何かあったとき、動けるのは自分しかいません。
いざというときに慌てず冷静に動くことができるように、そして、保育スタッフの専門知識を維持し更なる向上を目指すために、これからもノーベルではオンラインも駆使しながら、定期的に研修を実施してまいります。

講師から最後にひとこと

最後に、講師を務めてくださった前田先生から、このブログの読者に向けたお言葉をいただきました。ぜひご一読ください。

『ノーベルさんのお仕事は、社会的に見てもなくてはならない職業として、定着しつつあります。乳幼児施設の仕事についていた私も、お預かりしていた子どもが急な発熱などで保護者の方に迎えに来て頂いた経験は何度もあります。そのたびに、お母さんお仕事大丈夫ですか?と気を遣いながら、子供さんのお迎えをお願いしたものです。そんな時、ノーベルさんのような仕事ができる会社があればといつも考えていました。
子育ては、本来ならば夫婦二人の協同ライフワークです。ただ、色々なご事情で、ひとり親にならざるをえなかったご家庭もたくさんあります。また、祖父母に頼ることができない共働き家庭もたくさんあります。向こう三軒両隣があった時代は、となりのおばちゃんが子どもの世話をしてくれたこともありましたが、今は残念ながら、そうではなくなってきました。だからこそ、ノーベルさんのような子育て支援のできる会社が必要とされているのです。
これをお読み頂いている皆さんの中で、ご自身の経験をいかしてみたい、誰かのお役に立ちたいと考えておられる方がいらっしゃいましたら、是非、頑張っておられるお母さん、お父さんが安心して働ける環境作りのお手伝いをして下さいませんか?私がお願いするのも何ですが。
子供たちを守るための知識と技術を身に着けて、ご一緒にご自身のさらなる成長を目指しませんか?
研修会でお会いできることを楽しみにしています。』

すまいる舎こども救命講習センター公認インストラクター 前田祐

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