ノーベルと学ぶ保育

子どもの病気乗り切り術|感染性胃腸炎、その症状、事例、保育園登園再開の目安は?何日休む?

寒くなってくると子どものあいだで流行り始めるのが、ノロウイルスロタウイルスといった感染性の胃腸炎

かかったお子さんはもちろんしんどいですが、家庭内でも感染しやすいため、下痢や嘔吐物の処理の時などで親御さんを悩ませる病気でもあります。

胃腸炎って?

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどによる感染症で、症状としては、発熱が先行し、嘔吐、下痢など腹部症状が遅れて出現することもあります。
細菌によるものは夏場に多く、冬場はノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性のものが流行します。

感染性胃腸炎とは|国立感染症研究所

お子さまの場合、下痢や嘔吐物から感染することが多く、保育園はお休みする必要があります。

とくにノロウイルスは非常に感染力が強く、10個~100個というごく少量のウイルスに接触するだけですぐ感染してしまいます。(ちなみに患者の便や吐物1gには100万個~10億個ほどのウイルスが含まれるとのこと…!)

主な症状は、病原体により異なりますが、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。感染経路は、接触感染、経口感染。特別な治療法はなく、対症療法となります。ロタウイルスはワクチンを打たれている方も多いのではないでしょうか。

また、消毒耐性も高く、普通のエタノールなどでは消毒できません

ノロウイルスは、感染力が非常に強いことと、エタノールでは消毒できないことから、他の感染症よりも、便やおう吐物の処理の際に特別な注意が必要です。

消毒

胃腸炎の経過の例
  嘔吐、下痢の様子 食事のステップ
1日目

突然の嘔吐。
(ひどい時は1日10回以上嘔吐する場合もある)
下痢も頻繁にあります。

食事は水分補給程度でもOK。
2日目 嘔吐はだいぶ治まりますが、
便はまだゆるめ。
食欲がもどり始め、お粥やりんご程度の消化のよいものから始めて様子をみます。
3日目 便の調子も整い始めます。 白米はいつも通りの固さで。
消化のよい豆腐や野菜から種類を増やし、脂っこいものは少量から様子をます。
4日目 保育園登園再開  

ノーベルでの事例を紹介

ここで、ノーベルでのお預かりの事例も紹介します。こちらは胃腸炎の症状もおさまりつつあり、回復傾向に向かっていたお子様の事例になります。

― お子様プロフィール ―
Yちゃん:1歳
― 予約時の状況 ―
前日朝4時に嘔吐感(吐きそうだが吐かない)あり。
その後6時、8時に一回ずつ嘔吐あり。しかし熱、下痢はなく、機嫌も良かったとのことです。
小児科ではウィルス性の胃腸炎と診断され、下痢が始まったらラックビーを内服するようにと指示をうけます。
その後病児保育中や母の帰宅後も機嫌よく、晩御飯のうどんもよく食べました。
しかし、 19時に下痢便あり。熱はまだなし。
嘔吐も朝以来一度もない…という状態で ご予約をいただきました。
 

朝の引き継ぎののち、お兄ちゃん、お母さんがお出かけになっても 椅子に座ってEテレに熱中のYちゃん。少しずつ慣れてきて、笑顔も出てきて、声も出始めました。よかった♪
「じゃあじゃあびりびり」の絵本から始まり、 いろいろな絵本やおもちゃでご機嫌に遊んでいました。スタッフの持ってきた「でんしゃ」という絵本も一人で見てくれていました。
テレビの後ろがお気に入りの場所のようで、そこに行っては やんちゃそうににっこり笑ってくれていました。

お昼ご飯はおうどんを1/4ほど食べてりんごゼリーをしっかり食べていました。お腹が弱っているから、プルプルの食感が気持ちよかったのかもしれませんね。自分から口を開けて、食べようという意欲が伝わってきました。

りんご味のゼリー

また、ノーベルのスタッフにも、たくさんのママさん職員がいます。そして、この胃腸炎の感染には悩まされています…。そんな事例もご紹介します。

私が復帰後一番まいった病気、それはノロ。家族全滅の悲劇とは。

私が復帰後一番大変だったのが、「一家全員、ノロde全滅」でした。
それがよりによって、育休復帰後すぐのゴールデンウィークの、(さらによりによって)最終日から発生!まず、下の子が突然、マーライオンに。これが悲劇の始まりです。子どもって、それまでふつうに元気に遊んでいても、突然、ドパッと吐いたりするので、本当にびっくりしますよね・・!

ちょうどその前に夕飯を異様にモリモリ食べていたので、「食べ過ぎかな?」と思い、特に消毒などせずにカーペットの上のおう吐物を掃除しました。

その後も普通に元気に遊んでおり、就寝。
・・・

しばらくして突然、寝たままゲロゲロ~!(添い寝していた私もびしょぬれ〜!)

そこで「あ、これはやばいやつや」と気づき、キッチンハイターを薄めたもので慌てて消毒するも、時すでに遅し。

翌日には上の子がマーライオン。お世話に明け暮れた数日後、ようやく子どもの下痢もおさまり登園できそうだと思ったら、私が発症。最後には夫がダウンし、結局まる一週間出勤できず。
控えめに言って、地獄!
もともと10連休と長かった休みが結局16連休になり、休み明けはほんとうに気が重かったことを覚えています。。。

親も感染症に

ノロ対策セットを作っておこう。ハイター薄め方の濃度は?

ノーベルでは、会員様には、感染症対策に嘔吐処理セットを用意するようオススメしています。
その内容はこちら!

我が家のノロ対策セット

ノロ対策セット

キッチンハイター
・空のペットボトル(500ml)
・使い捨て手袋
・マスク
・ペーパータオル
・広げた牛乳パック
・ゴミ袋
・消毒ジェル
消毒用エタノールスプレー

ポイントは「キッチンハイター(家庭用塩素系漂白剤)」

ノロウイルスの消毒には、エタノールなどではなく、次亜塩素酸ナトリウムが有効なんですが、それが入っているのが、身近な存在の「塩素系漂白剤」なんです!

そして実際にマーライオンに遭遇したら、このように使います。

ノロセット

(※かごに入れるなどまとめておくと便利です)

おう吐物や便の処理のしかた

①使い捨て手袋とマスクを装着
  ↓
②おう吐物を広げた牛乳パックで集め、ペーパータオルでふき取る(外側から内側に。塗り拡げないよう注意!)
  ↓
③ふき取ったおう吐物・とペーパータオル・牛乳パックをゴミ袋に入れる
  ↓
④ゴミ袋に0.1%に薄めたキッチンハイターをしみわたるようにかける(※薄め方は以下参照)
  ↓
⑤ふき取った後の床とその周囲を0.1%に薄めたキッチンハイターで掃除する

(かなり飛び散っているので広範囲に!金属は腐食するのであとで水拭きをする)
  ↓
⑥掃除が終わったら、捨てられるものは全てゴミ袋にまとめて捨てる
  ↓
⑦子どもの服や、掃除で着ていた服は、0.02%に薄めたキッチンハイターを入れたバケツに60分ほど浸してから洗濯する。
  ↓
⑧しっかり手洗いうがいをし、消毒ジェルで仕上げる
(私はこのあと念のため、周囲を消毒用エタノールスプレーでシュッシュします。)

家庭用塩素漂白剤の薄め方

キッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム)等を薄める濃度は以下の通り。
①便やおう吐物をふき取る時 → 0.1%
②衣服のつけ置きや便座等の掃除→0.02%

キッチンハイター等の家庭用塩素系漂白剤の濃度は「約5%」なので、500mlの量を作るには、
①50倍に薄める → 原液10ml+水490ml
②250倍に薄める → 原液2ml+水498ml
となります。この機会に覚えておきましょう~!

500mlで覚えておくと、空ペットボトルで作りやすいのでオススメですよ。
(水498mlと書いてますが、私はペットボトル一杯になるように入れています)

ちなみに、私はキッチンハイターのボトルに、この数字を貼り付けています

こうしたノーベルの保育スタッフやママたちが積み重ねてきた知見が「ノーベルウェルカムキット」にも詰まっていますので、こちらもぜひ御覧ください。

紙おもつで簡易嘔吐袋

「うわっ、”気持ち悪い”って言ってる!でも手元に何もない!」
そんなときは、紙おもつを2つ、十字に重ねて袋状にしたものを使いましょう。
しっかりモレずに受け止めてくれます!

紙おむつ2枚

      ▼ 十字に重ねて・・・

紙おむつで作った嘔吐受け

保育園はいつから登園OK?何日ぐらい休む?

ノロウイルスを含む感染性胃腸炎は、医師による「登園許可証」は必要ない病気となりますが、下痢と嘔吐がおさまり、食欲が戻るまでは登園できません。

ウイルスや症状によって、個人差はあると思いますが、だいたい3~5日はお休みすることになると思っておいたほうがよさそうです。

登園再開の目安は、

「嘔吐下痢の症状がなく、保育園の給食を食べれて元気であること」

胃腸炎にかかると食事が思うようにとれないので、体力の消耗も想像以上に激しく、回復にやや時間がかかります。

抵抗力も落ちているので、回復途中で無理に登園させて別の病気に感染することも心配ですよね。長引かせないためにも、しっかりと回復してから登園させてあげたいところです。

4日間、どうやってのりきりますか?

実際に想像してみると、なかなか大変です・・・。

風邪程度なら祖父母に預けることはできても、感染力が非常に強いノロウイルスなどの場合は、さすがに気が引けてしまいますよね。

自分の場合を想像して、4日間まるまる休めそうでしょうか?
祖父母やきょうだいなど、頼れそうな身内は近くにいますか?
パパは休みがとりやすい職場環境でしょうか?
もし難しいようでしたら、1日2日は自分や家族が休んで対処するとしても、あとの2日は、外部サポートを頼ることも考えてみてはいかがでしょうか。

病児保育シッターも頼りになります

全部を、自分たちだけでなんとかしようとしなくてもいいと、私は思うんです。
しんどいときは、もっと「助けて」と言っていい。周りを頼っていい。
その選択肢の一つとして、私たちノーベルの「訪問型病児保育」があります。
おうちまでスタッフが伺うので、お子さんは慣れた環境でゆっくり休めますし、一対一の保育なので、感染力が非常に強いノロウイルス等でもお預かりすることができます。保育スタッフは病児保育のプロなので、おう吐物などの処理もお手のもの。安心してお任せいただけますよ。

しっかり対策をして、元気に冬を乗り切っていきましょう~!

ノーベルは子育てと仕事の両立を応援しています!
両立でいちばん困ることは、子どもが病気の時の預け先。病児保育に頼る、という選択肢も考えてみてくださいね。
「ノーベルの訪問型病児保育」くわしくこちら>>

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