(2015.12.11更新)
代表長谷亜希ノート
大阪市西区との提携に思うこと。
本日、ノーベルは大阪市西区と連携し、訪問型病児保育を実施することをリリースした。
行政とノーベルの連携がまた1つ増えた。
大阪市西区民の方は通常の半額以下でノーベルの病児保育利用可能になる。
こういう風にノーベルの病児保育が評価され広がっていくことはとても嬉しい。
ただ、私はこの提携内容に納得していない。なぜか。
「子どもの受診は親がすべき」といった見解にいたったから。
これは先駆的に始まり、しかも提携事業として結果が出ている、淀川区の訪問型病児保育と同じ内容になっていない。
「この●●すべき」といった論争はどこにでもある。
子どもは母乳で育てるべき。
3歳まで子どもは母親が育てるべき。
言い出したら切りがない。
こういった論争は、何を根拠に言ってるのか全く理解ができない。
何よりも選ぶのは、論争している第三者ではなく本人たち。
それにああだこうだを言う必要がない。
そう思うのは私だけだろうか。
「受診は親がすべき」といったことは、あくまで第三者の意見。
ブログを長々と書く前に1つだけ伝えておきたい。
これは何かを批判するものではなく、否定するものでもなく、なぜこういう事態が起きるのか。
6年間、現場でみてきたことをもとに、利用者のために今後、数年かけてでも、融合点を見出したい。そう思って書いている。
私たちノーベルにももっとできることがあるのではないか。
そう思っている。
2014年、大阪市淀川区とノーベルでは政令指定都市では初となる訪問型病児保育の提携が実現した。一方で、大阪市も訪問型病児保育を実施することが決まった。
(※大阪市と大阪市の24区内にある淀川区が並行して病児保育を実施するという異例の構造で、大阪市の方はノーベルは関わっていない)
大阪市の訪問型病児保育と、大阪市淀川区の訪問型病児保育。
大阪市内での同じ「訪問型病児保育」に税金を投入しているにも関わらず、結果が全く違う。
税金を使うのであれば、その税金が最大限有効的に使われなければいけない。
世の中にはお金だけ投入して、実際どういう結果にいたったのか検証もせず、税金がただただ流れているケースが多い。
自分たちが実施するものには結果にこだわりたい。
そういう思いから淀川区との提携内容にはかなりこだわった。
そして、きっちり結果がでた。
その根拠がこちら。
これが何を意味しているのか。
●登録はしているけれど、使われていない。(大阪市)
●登録し、使っている。(大阪市淀川区)
淀川パックは、訪問型病児保育において、全国のどこにもできないことをしたと自負している。
今回の西区の「受診は親がすべき」といった内容での提携は、はたして結果が出るのだろうか。
私の答えは、淀川区のような利用率にはならない。
要は、登録はするけれど、利用率が伸びない。
利用者が、使いにくいものになっているということ。
施設型の病児保育も、受診は親が行うことになっている。その結果、親は半休を取らなければならない。親は毎日のように病気の時に病児保育に預けるわけではない。3、4日と休まなければならない中で、工夫して1、2日と預けている。
一番の難しさは子どもの病気はいつ起きるのかわからないこと。
その予測ができればいいが、仕事の調整がつかず、どうしても行かなければいけない日と重なった時に預けたいのに、その「いざ!という時」に、「預かることはできるけれど、親が受診に行ってから預かりますね」では意味がない。
では、親の要望にだけ応えていいのか。リスクはないのか。
第三者が入ることでお医者さんとのコミュニケーションが間接的になる。
それにより、何か事故が起きるのではないか。
そんな指摘がくる。
しかし、これまで約4,000件の保育を実施しているが、今までそういったことは起きていない。
そういったことが起きないように日々改善を繰り返し、続けている。
制度を作るのであれば、
「使いたいと思ったとき使えるものにしなければいけない」
現場ではどんなことが起きていて、どんなことが必要とされているのか。
そして、そのために何をすべきなのか。
私たちノーベルは「無理」と言われてきたことを、「無理」と思わずにどうすればできるかしか考えていない。
スタッフたちにも理想を語り、それを具体化していくために「どうしていくのか」を考え抜くべきだと私は言い続けている。
こういったことを民間や行政、地域の関わる方々たちと、区民や市民のために何ができるか議論していくことが必要だと感じている。
今回のこの提携の機会を無駄にしたくない。
今後の未来に向けてどうすればいいのかを話し合う機会にしたい。
できないことはない。
いつも理想ばかりと言われているけれど、実現方法を考えていきたい。
そう思わせられた受託だった。
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