(2020.04.08更新)
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元園長先生に聞く!気をつけたい子どものメンタルケア
こんにちは、ノーベル事務局です。
緊急事態宣言が出され、刻一刻と変わる状況の中、みなさま不安な毎日をお過ごしのことと思います。大人でも大変な状況ですから、子どもにとってはなおさらですね。
そこで本日は、元保育園園長のベテラン保育スタッフに聞いた「子どものメンタルケア」についてのアドバイスをご紹介します。
とても簡単なことばかりですので、ぜひ今日から、取り入れてみてくださいね。
子どもに現れやすいストレスのサインは?
子どもはまだ人生経験も少なく、ストレスに対処する方法も、表現方法も未熟で、大人にはそのサインがわかりづらいことが多いものです。
年齢や性格によっても個人差が大きいですが、たとえば以下のような兆候がみられたら要注意です。
・おさまっていた指しゃぶりが復活する
・毛布やタオルを掴んで離さなくなる
・すぐイライラする・怒る
・ささいなことで泣く
・笑わなくなる
・ひどく甘えるようになる
・寝つきが悪くなる、すぐ目を覚ますようになる
・おねしょが増える
これらの原因は「不安」からのストレスであることが多いので、その不安を受け止め、安心させてあげることが重要となります。
そのための具体的な方法が、元園長先生直伝!のこちらの2つです。
1日3分の<魔法の時間>を作ろう
1日たったの3分間なら、誰でも時間をとれるはず・・・ですよね?
とにかく「この3分間だけは、ただただ子どものためだけに使う」と決めるのです。
この時間ばかりは家事の手を止め、仕事もせず、スマホも触らず、脳内で別のことを考えたりもせず(私はよくやります…汗)、ただひたすら子どもに向き合うことに集中します。
トランプでも、お絵描きでも、しりとりでも、子どもがやりたがることに何でも付き合ってあげる。
「あなたのための時間だよ」「あなたが大好きだよ」ということを、全力で伝える時間にします。
習慣化するためには、日常のルーティンに組み込んでしまうのがオススメです。
例えば、
・一緒にお風呂に入ったら、浴槽では全てを忘れて子どもと遊ぶ
・寝かしつけの前の3分間はじゃれ合いタイムにする …など。
「ママ見て!」と言われたら、それをスイッチにしてそこから3分間取り組む、と決めるのもいいですね。
タイマーを使って時間を測るのも、集中しやすくなってオススメです。
もちろん、もっと遊んでいたくなったら、時間を延ばしたらいいんです☆
<スキンシップ>を心がけよう
不安な時、ギューッと抱きしめられると安心しますよね。
スキンシップにより「幸せホルモン」ともいわれる「オキシトシン」の分泌が増えることが研究で明らかになっています。(オキシトシンは、ストレスに強くなったり、他にも様々な良い効果がある、今注目の脳内ホルモンです。)
少しでも「様子がおかしいな?」と感じたら、いつもよりも多めのスキンシップを心がけてみましょう。
「抱きぐせや甘えぐせがつくのでは?」
「いつまでも甘やかしていると保育園に行けなくなるのでは?」
などと心配する必要はありません。
しっかり甘えられて「自分は親に愛されているんだ」ということが実感できると、子どもは安心し、自然と親の手を離れて自由に動き回れるようになっていきます。
「抱っこ」が一番簡単なのですが、今は感染症予防の観点から、このようなスキンシップがおすすめです。
・頭をなでる
・手を繋ぐ
・お風呂上がりに保湿剤を塗る
…など。
(個人的におすすめなのは、子どもに「ナデナデ」してもらうことです!すごく気持ちが良いですよ!癒されます~)
少し大きな子なら、マッサージや肩たたき、二人でできるストレッチなどでも良いですね。身体も軽くなって一石二鳥です!
いつもよりも細やかなスキンシップを心がけていきましょう。
子どもは何より「親の感情」に敏感
そして、もうひとつ気をつけたいのが「親の側のストレス」です。
子どもは、親が想像している以上に「親の感情」に敏感な生き物で、親御さんが忙しそうにしたりイライラしていると、それを繊細に感じ取ってしまいます。
こんな状況でなくとも、4月は環境が変わったりやるべきことが多く、親にとっても大変な時期ですから、「ママ見て!」の声にも、「今忙しいから後にして!」など、ついイライラしてしまうことも・・・。
そんなとき、「自分が考えているよりもはるかに、親の感情は子どもに影響があるんだ」いうことを自覚しているだけで、ずいぶん違うかと思います。
親自身も自分の感情に向き合うことや、ストレスを溜めない・発散することを心がけていきましょう。
ちなみに、上記の2つは、親自身のストレス解消にも繋がりますよ。
「1日3分、”イマココ”に集中する」というのは、まさに最近話題の「マインドフルネス(*)」ですし、「スキンシップ」では、子どもだけでなく親の側にもオキシトシンが分泌されます。
*「マインドフルネス」とは、ひとことで言うと、よいとか悪いという価値判断を入れずに「いまここ」に意識を向け、ありのままに気づくことです。
(書籍「親と子どものためのマインドフルネス」より引用)
マインドフルネスには、ストレスを軽減する効果があることや、他にも脳の機能向上などさまざまな効果があることが研究で明らかになってきています。
ちなみにオキシトシンのほうは母親と父親で出かたが異なり、母親は「優しい触れ合い」で、父親は「刺激の多い触れ合い」でより多く分泌されるとのこと。
パパは身体を動かしてダイナミックに遊びましょう!
休園休校の延長や外出自粛などで、親子で過ごす時間が増えるときだからこそ、発想を切り替えて、「子どもとの時間を豊かにするチャンス」と捉えてみませんか。
そうすることでストレスも低減するかと思います。
この緊急事態を、みんなで力を合わせて乗り越えていきましょう。
ノーベルでは、感染症まん延に伴う、心のケアの研修も行っています。ぜひこちらも合わせて読んでいただけたら嬉しいです。
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