代表長谷亜希ノート2030ビジョン提言

#19 子育て家庭のたいへんさは意思決定の複雑さにあった?!新事業「子育て家族のまるごとサポート」、始動!!

この【#両立をつくりなおす実践の記録】がスタートしてから、約1年。

病児保育のノーベルから総合的に両立をサポートするノーベルへ再挑戦する過程をお伝えしてきました。

コロナ禍を乗り越え、いよいよ私たちノーベルの新しいチャレンジがはじまります!!

子育て世帯が本当に困っていることはなにか

私たちは昨年、子育て家庭の困りごとを知るため定量調査(※1 一般回答n=1,000/ノーベル会員n=278)を実施しました。

これらの定量調査から得たインサイトの中で着目したのが、「保育や家事代行等の第三者サービス」を利用している人は、利用していない人に比べて両立満足度(8.1pt)高かったこと。このポイントから第三者サービスを利用している人としていない人の違いを明らかにするために、さらにインタビュー調査を実施しました。

私たちは「経済的負担」や「他人が家にはいってくることへの心理的抵抗」が第三者サービスを利用しない要因ではないかと考えていました。

しかし、私たちの仮説は覆されました。

インタビューの結果では、経済的余裕があり、第三者サービスの利用意向があって、具体的なリサーチをしていても、最終的にサービスの利用に至らないケースが多かったのです。

そして、インタビューから得た発見が下記です。

■複雑なニーズを整理し、解決策を探し、意思決定すること自体、とても難易度が高い
■両立生活において、時間の余裕がないことが、より意思決定を難しくしている
■結果として、子育て世帯の負担を軽減するモノやサービスがあっても、各家庭がサービス利用に至る前段階でつまづいてしまい、活用されない

そこには、「依頼までのハードルが高い」があり、これらを解決しないとそもそも第三者サービスは使えないのです。

CoBe-Techとの出会い、そして共同開発へ

私は、頭を悩ませました。そのサービスを使ってもらう手前の「依頼のハードルを下げる」なにかをしなければいけない。その【なにか】をどうつくっていくのか。

そんな時、Facebookで友人が上げていた投稿をみて、「これ、もしかして?!」と思いすぐに連絡したのです。

友人が「認知行動科学」と「行動経済学」の専門知識をかけ合わせた課題解決技術を用いて、人と社会のwell-being向上に貢献することをミッションとしているCoBe-Tech株式会社(大阪大学発のベンチャー)を立ち上げた、と。

私はMessengerで、

例えば、行動の一部として
・パートナーに頼る
・第三者に頼る
・自分のありたい姿を知る
こんな行動を取れるよう、背中を押す作業をコツコツ積み重ねていくと私たちの理想とする両立に向かうのではないかと思ったのですが、こういう行動変容を起こすために、行動経済学や認知行動科学が活かされるということなのでしょうか。
乳がん検診率を上げるように、ヘルプシーキング力をあげていく。それによってwell-beingを実現する。そういったことを立ち上げた会社で可能だったりするのでしょうか。

と送りました。すると、

ノーベルさんの2030年までに両立を作りなおす、という宣言に少しでもお役に立つことができれば。CoBe-Techの強みは間違いなく活きると思います。色々と乗り越えたいハードルはありますが、可能性を探るためにどこかでディスカッションさせてもらえればと思います。

と、すぐに返信がありました。

言葉の説明をすると、

【行動経済学とは】
人間の「 人々が直感や感情によってどのような判断をし、その結果、市場や人々の幸福にどのような影響を及ぼすのか 」を解明すること。

【認知行動科学とは】
ヒトの行動とこころのはたらきを、行動ー認知・こころー神経・生理ー脳の様々なレベルで解明すること。

例えば、乳がん検診率がなかなか上がらなかったところに「認知行動科学」と「行動経済学」をかけあわせた課題解決技術でアプローチし、日本の乳がん検診率を約3倍にしているなどの実例があります。

個人の特性に合わせて課題解決につながる行動変容を促すことができるんだ!と、とても気持ちが高揚したことを今でも鮮明に覚えています。

共同でアセスメントツールを開発!

これで、「依頼のハードルを下げるなにか」が解決できる方向が見えてきました。

ディスカッションを積み重ねる中で、すでに【高齢がん患者】や【不妊治療】等の領域では既に取り組まれている医療現場の「行動経済学的意思決定支援」を子育て支援へ転用しましょうとなりました。

CoBeさんと共同で、個人の特性を把握するアセスメントツールを開発することになりました。

ディスカッションの過程で見える化されたものがこちら。

子育て世帯の意思決定は、父母の家事育児に対する志向や価値観・特性、子どもの特性、周囲との関係性、経済状況、職場環境、地域特性など、これだけのことを把握・理解していないとできないんだと。意思決定に関わる要因はとても多く、複雑に絡み合っている!

これを親一人でもしくは夫婦二人で理解しあうって、そりゃ無理でしょ。と納得しました。

私たちは、この各家庭の特徴を把握・理解できるように、共同でアセスメントツールの開発を行うことになりました。

わたしたちがつくる新しい事業「子育て家族のまるごとサポート」で、私たちは何を提供するのか。最終のカタチができあがってきました!!

家族のまるごとサポート

「子育て家族のまるごとサポート」では、家事育児の日常の仕組みづくりや外部サービス等の選定をコーディネートする担当ガイド1名と、生活まわりのサポートを行うケアスタッフ数名がチームを組んで、各家庭のニーズに応じたサポートを提供します。

子育て世帯の日々の生活の「まわらなさ」や「頼みづらさ」を解消し、家族と協力し、必要に応じて人の手を借りながら両立生活を乗り越えていくために、環境づくりや仕組みづくりをお手伝いします。

私たちが具体的に提供するものは

1.家庭内の仕組みづくり
開発したアセスメントツールを活かし、ヒアリングからプランニング、導入から定着までのサポートをする
2.生活まわりのサポート
担当ガイドとの面談中の保育や、家事、送迎等、日常の暮らしのお手伝いをする

この2つです。

特に生活まわりのサポートではサービスをつくりこまないことを意識しています。

ビフォー・アフター

各家庭みんな違う。だからこそ、1つ1つの家庭のお話を聞きながら、一緒に悩みごと、困りごとを解決できる計画づくりをご一緒し、ときにはチームになって子どもや親御さんのサポート、生活周りのサポートをしたいと思っています。

そして、まずは第1期モニター家庭を10組募集開始します!

「子育て家族のまるごとサポート」の詳細はこちら

ここまで長い文章を読んでくださり、ありがとうございました。

コロナ禍、様々なことを経験しました。

どんなにつらく、苦しい経験をしてもやっぱり、すべて学びに置き換え、私たちノーベルの役割は子育て家庭を支えることだと思って諦めずに進んできました。

この数年間の糧を何に活かすのかと考え続け、アクションし続けた結果、このような新しい事業のスタート地点に立てたと思っています。

 

これを読んでくださっているみなさま、いつもありがとうございます。

そして、これからもよろしくお願いします。

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