(2024.12.13更新)
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【アーカイブ動画あり】イベントレポート|ひとり親家庭が安心して子育てできる社会とは~直面する困難を共に支えるために~
こんにちは。ノーベル寄付担当の徳増です。
先日、NPO法人シングルマザーズシスターフッド代表理事の吉岡マコさんをお迎えして、
「ひとり親家庭が安心して子育てできる社会とは~直面する困難を共に支えるために~」と題してオンラインイベントを開催しました。
突然ですが、皆さんはひとり親の方とお話したことがありますか?
実は、ひとり親であることを周囲に打ち明けられない家庭も少なくないそうです。
その背景やひとり親が求める支援について知る、貴重な機会となった今回のイベント。
その内容を一部抜粋してお届けします。
■産前・産後のセルフケアを全国に広めた第一人者
まず、吉岡マコさんのこれまでの活動について簡単にご紹介します。
吉岡マコさんは、22年間にわたりNPO法人マドレボニータの代表として産前・産後の心身のケアの必要性や重要性を全国に広めた第一人者です。
2020年12月に退いた後、NPO法人シングルマザーズシスターフッドを立ち上げ、現在はひとり親の心身のセルフケアを支援されています。
当事者の声を集めてシングルマザーの心身の状態について調べた「ひとり親けんこう白書」も発行されており、
ひとり親がどのような支援を必要としているのか、ご自身の経験も含めて情報発信されています。
▼略歴
シングルマザーを対象に、オンラインの講座などを通じて「心身のケア」と「つながり」の機会を提供している。東京大学文学部で身体論を学び、同大学院にて運動生理学を学んでいた在学中の出産と産後の体験をきっかけに、1998年産後ケア教室を開始。2008年NPO法人マドレボニータを設立し産後ケアの普及や啓発に尽力した。2020年に同法人の代表を退き、ひとり親女性を支援する団体を設立。
■シングルマザーであることを明かさずに生活している理由とは?
ひとり親の問題として、よく経済的な困窮が強調されている傾向がありますが、
あくまで「貧困」は氷山の一角で、その背景にはさまざまな問題を抱えています。
・身体的疲弊
・精神的な痛み、不安
・孤独
先日の徳増がインタビューさせていただいたひとり親家庭の絵里子さんもそうでしたが、
ひとり親の親御さんは、ちょっとした日常会話の中で
- 「わたしの家には父親がいないから境遇が違う」
- 「うちには旅行にいけるお金がないから話に入れない」
などとより孤独感や疎外感を感じることがあります。
偏見や差別、社会的に孤立しやすい環境があることから、シングルマザーであることを明かさずに生活している方が多いのかもしれません。
実際にNPO法人シングルマザーズシスターフッドで開催されているストレッチや瞑想を行う講座はシングルマザーのみを対象に行われているものですが、参加者からは
「自分以外のシングルマザーに初めて出会いました」
という声がよく聞かれるそうです。
同じ境遇の人と話す機会がないと、喜びや悩みを共有できず、支援についての情報を得られにくくなります。
イベントでは、シングルマザー同士がつながり、交流することの重要性が強調されました。
■セルフケアは「贅沢」でも「娯楽」でもない
皆さんの中にも、子育てをしていると
「こうでなければならない」
「本当はこうしたいけどできない」
という考えにとらわれることはありませんか?
母親になったとたん、時間やお金を自分のために使うことに罪悪感を感じるようになり、
子どものためには投資するけれど、自分に対してのセルフケアは縁遠くなってしまう傾向があると思います。
仕事と家庭のことを一手に担うシングルマザーでは、その傾向がより強いそうです。
しかし、吉岡さんは「セルフケアは贅沢ではなく、責任ある大人の態度」と話していました。
厚生労働省の調査でも、ひとり親家庭の3分の1以上が健康問題を抱えているにもかかわらず、
日本の支援策は経済的支援に偏り、心身の健康へのアプローチが不足している現状があります。
NPO法人シングルマザーズシスタフッドでは、自分の身体や心をセルフケアし、オンラインで地域を超えて交流することで互いを励まし合える機会を提供しています。
参加者からは
- 「セルフケアをしてもいいんだと気づいた」
- 「セルフケアは贅沢だと思っていた」
などの感想が寄せられるといいます。
セルフケアは、誰かの支援につながる前に、まず自分の今とつながるものー。
体と心をいい状態にしていくための土台となります。
それができるようになって初めて、未来のことに目を向けられるようになるそうです。
■参加者の声をご紹介!
当日のイベントは、50人を超える方に参加いただきました。
アンケートでご回答いただいた声の一部をご紹介いたします。
-
心と身体のケアの大切さ
「ついつい自分のことは後回しになりがちですが、お母さんが心の余裕を30分でも持てることで、次につながっていく。とてもよくわかります。心と身体のケアと共に、ノーベルの『ひとり親パック』や『まるサポ』でサポートすることで、お母さんたちの笑顔が増えていきますように」
-
新たな視点を学ぶ機会
「ひとり親家庭のリアルな状況や、社会とのつながり・立ち位置など新たな視点を学ぶことができました」
-
仕組みが広がることに期待
「ひとり親家庭を支える仕組みがもっと広がり、社会にとって当たり前の存在となるといいですね」
■アーカイブ動画をご覧ください
視聴の有効期限はありません。
当日参加できなかった方は、ぜひご覧ください。
▼動画リンク
https://www.youtube.com/watch?v=NhZSR7Z04C4
▼吉岡マコさんからご提供いただいた各種リンクはこちら
・セルフケア講座紹介カード
https://forms.gle/9d8Nq3Cqpg1Xaayr9
・『ひとり親けんこう白書』
https://www.singlemomssisterhood.org/singlemoms-health
・シングルマザーズシスターフッドの寄付月間キャンペーン2024
https://www.singlemomssisterhood.org/giving-month2024
・エッセイ
https://www.singlemomssisterhood.org/blog/categories/giving-month2024
・エッセイ(英語)
https://www.singlemomssisterhood.org/blog/categories/giving-month2024-english
・寄付ページ
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