(2018.11.15更新)
代表長谷亜希ノート
【共同代表募集イベントレポート】前編:ノーベルのこれまで。(募集は終了しました)
<共同代表の募集は終了いたしました、多数のご応募ありがとうございました>
先月発表し、多くの方から反響をいただいている、今回の「共同代表募集」について。
その背景は、代表高亜希のブログ投稿(記事はこちら)でも簡単にご説明していますが、
「実際、もっと話を詳しく聞きたい!」
「どんな役割を期待されているのか?」
「ノーベルの組織って??」
等など、興味を持ってくださっている方々に少しでも理解を深めていただきたく、東京、大阪で、説明会を開催しました。場所日程の都合で参加できなかった皆さまにも、その内容をお伝えすべく、記事を3本に分けてご紹介します!
前編:ノーベルのこれまで。(当記事)
中編:ノーベルのこれから。募集背景について。
後編:代表 高と理事2名によるセッション
はじめに
イベントのはじめは、代表理事の高亜希から、今回の募集背景についての説明を約45分かけて行われました。
はじめに、ノーベルの活動を感じていただける動画をご覧ください。
ひとり親向けに安価に病児保育を提供している「ひとりおかんっ子パック」のご利用会員さんにご協力いただき制作した動画です。
ノーベルを立ち上げたきっかけ
大学を卒業し、民間企業で働いていたんですが、友人・同期・先輩社員が仕事を辞めていくのを目の当たりにしました。
「なぜ辞めないといけないのだろう…?」と。
当時の私は子どもがこんなに病気になるのを知らなかったんです。預け先がないということも。
子育てと仕事の両立が出来ないことに驚き、何とかしないといけないと勝手にミッションを感じたのがきっかけです。
調べていると、すでにこの問題に取り組み、訪問型病児保育を東京でやっているNPO法人フローレンスという団体があることを知りました。
「話を聞かせてください!働かせてください!無給でもいいので!」とお願いしまして…。
なんとか社会人インターン生として、1年間、受け入れていただき、病児保育を学んできました。それが2008年度です。
2009年4月、大阪に戻ってきて、ブログを立ち上げ、「これからノーベルを始めます」という記事を1本書きました。当初はカフェが事務所、学生インターン3名と、保育スタッフ2名とわたし。大阪市中央区西区で、2010年2月にサービスインしました。
現場の声に耳を傾け、つくってきたノーベルの病児保育
困ったことに、ニーズがあると思って始めた病児保育ですが、1年目、まったく利用者からの問合せが伸びず、半年経っても利用会員が10名もいない状況でして(笑) 毎日、銀行の通帳とにらめっこしていた時期がありました。
そんな中で、前職時代の先輩や、利用会員さん、プロボノの方々など、多くのご協力をいただき、広報の改善を行っていき、少しずつ会員が増えていきました。3年目で、黒字化をはたします。
また事業を進める中で、大切な「事業方針」ができました。
「病児保育を誰もが利用したい時に利用できるようにしたい」ということです。
もともと、どちらかというと、前職でそういった方々をたくさん見てきたこともあって、バリバリ働くキャリアウーマンを支えるサービスとして、ノーベルを立ち上げたんですが、実際、ノーベルをやっていくと、
「’うちの収入では、高くてノーベルを利用できないんです…」
「’障がいがあってどこも受け入れてくれない…」
そんなお母さん方とたくさん出会いました。
訪問型病児保育は、基本的に一切行政からの補助はでない自主事業なので、その利用料は全額保護者の方が負担しなくてはいけない状況です。
上の図の白色を緑色に変えていきたい。利益だけを重視するのではなく、「誰もが」使えるからこそのセーフティネットだと思ってます。
2012年に障がい児のサポートをはじめ、また行政との協働を模索し、現在、大阪市淀川区西区では、区の事業として共済型の訪問病児保育が実施されており、区民は半額以下で利用できるようになりました。淀川区はそれによって、会員数は5倍以上増えています。
大阪市は全国で一番ひとり親家庭が多い街でして、ひとり親の9割は母子家庭、その半数が非正規雇用のお母さんたち。2013年から世帯年収300万円以下のひとり親家庭向けに、寄付を募って、お安く病児保育を提供するプログラムも開始しています。
これまでの実績
ノーベルの病児保育の累計会員数は、2,100名を超え、病児保育のお預かり件数は、今期1万件を突破しようとしています。
スタッフ数は約70人で、本部スタッフが20名、保育スタッフが50名程です。
2017年度で約1.2億円の売上規模でして、以下のグラフの通り、右肩上がりで利益を出せている状態です。
NPOも利益は出して良くって、株式会社とNPOの違いは、出た利益を株主に配分するのが株式会社で、次の社会的事業に対して投資するのがNPO、その違いだけで他はそんなに変わらないんですね。
また、おかげさまで、多くの皆さんの応援で、下記のような受賞につながっているケースが多いのがノーベルの特徴です。
2015年のGoogleインパクトチャレンジは、「テクノロジーで世界をよくするスピードをあげよう」というテーマで、事業アイデアを集め、Googleが数団体に5000万円の助成を行ったんですが、そのうちのひとつに選んでいただきました。一番、一般投票数が多かったのがノーベルで「みんなのグランプリ賞」を、多くの方々の応援によって受賞することができました。
最後に、病児保育事業のほかに、もうひとつ「発信」することも大切にしています。
こういった社会課題があるということを多くの人に知ってもらうため、メディア掲載は過去200回程度、講演などにもできる限り登壇しています。
また、今日、お手元にいくつか印刷物を配布していますが、「働く!!おかん図鑑」だったり、パンフレットだったり。私たちの活動に共感してくださった、(株)電通 大阪支社の「おかんカンパニー」の皆さんが、協力してくださり、私たちだけでは絶対できないようなものを制作してもらっています。
同じことを世の中に発信、伝えていくにも、やはりクリエイティブの力は大切です。
真面目に伝えたらしんどくって暗くなりそうなことも、そこは大阪ならでは、明るく笑い飛ばしてオモロく伝えていこう、ということを大切にしています。
こんな風にお伝えすると、順風満帆のように聞こえるかもしれませんが、決してそうではなく、本当に葛藤を抱えてきた月日でした。
「病児保育に預けてまで、働きたいのか」と罪悪感を感じているお母さんの声、「お金がある人は使えるけど、お金がない人は使えない、そんなものをひろげていっていいのか」といった自問自答…
そんな苦悩の中から、あるアイデア、想いが生まれてきました。
「中編:ノーベルのこれから。募集背景について。」へつづく
※募集は終了いたしました、多数のご応募ありがとうございました。
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