社会の課題

データで見るひとり親家庭の実情|クラファン特別企画vol.4

皆さん、こんにちは、ノーベル広報担当です。

今回は、ひとり親家庭の置かれている状況について客観的なデータをもとにお伝えできればと思います。

大阪の母子家庭の数は全国で2番目に多い

全国で母子家庭の数は65万世帯(※祖父母などの同居親族含まず)あり、大阪は全国でも東京についで2番目に多い自治体となっています。

大阪府の母子世帯数は約48,000世帯
人口比率では約0.55%となり、これは全国平均よりも上回っています。(※令和2年度 国勢調査より)

平均年収は一般の子育て世帯の約1/3

また、母子世帯のうち働いて得ている雇用所得の平均は236万円(※就労による収入のみ)と、一般の子育て世帯の雇用所得710万円の1/3となっています。(※令和3年度 全国ひとり親世帯調査より)

養育費の取り決めをしていない家庭も約半数にのぼります。取り決めをしていない理由は、「相手に関わりたくない」が最も多く、また「相手に支払う意思・能力がないと思った」という回答が続きます。(※令和3年度 全国ひとり親世帯調査より)

非正規雇用が約半数を占める

所得が低いことの原因として、非正規雇用の割合の高さがあります。派遣・パート・アルバイトなど非正規雇用で働く母子家庭の割合は42%とおよそ半数になっています。(※令和3年度 全国ひとり親世帯調査より)

また、末子の年齢別に見ると、風邪を引きやすい低年齢の子どもの母親ほど、正社員の割合は低く、パート・アルバイトの割合が高いことがわかります。(※平成30年度 大阪市ひとり親家庭実態調査

子どもの病気で6割の母子世帯の母が仕事を休む

大阪市の調査では、子どもが病気の時、66.4%の母子家庭の母が「仕事を休むなどして自身が看護する」と回答しています。そのほか、「仕事中は子どもがひとりでいることをがまんしてもらう」という回答も29.9%と、子どもの病気によって自身の仕事に影響があったり、子どもに我慢をさせてしまったりすることがわかります。(※平成30年度 大阪市ひとり親家庭実態調査

子どもの大学進学などに影響も

母子家庭の母が子どものことで悩んでいるのは、「教育・進学(経済的理由)」です。大阪府の調査では、約半数の家庭が経済的な理由で子どもの進学について困りごとを持っています。(※大阪府第四次大阪府ひとり親家庭等自立促進計画より)

また、希望する子どもの最終進学先についても、年収別に大きく差が出ています。年収が高い世帯ほど大学を希望する割合が高まっています。(※平成30年度 大阪市ひとり親家庭実態調査

学習塾や習い事に通わせているかどうか、についても、年収が多いほど通わせている割合が高く、自身の年収によって格差が生じてしまうことがわかります。(※平成30年度 大阪市ひとり親家庭実態調査

また、大学の進学率にも影響が現れています。一般の子育て世帯の子どもの大学進学率が6割あるのに対し母子世帯は4割にとどまっています。(※令和3年度全国ひとり親世帯調査 学校基本調査より

まとめ

上記のデータからも、特に母子世帯においては、非正規雇用の割合が高く、そのために働いていても年収が低いことがわかります。その結果、子どもの将来、特に教育や進学への不安が大きく、実際に進学率などにも影響を与えてしまうこともわかりました。
こうした社会的な構造の問題によって、経済的な貧困から始まる負の連鎖が起きてしまいます。

非正規雇用で働いている多くのひとり親家庭では、子どもの病気で仕事を休むことによって、働けない分の収入が減ってしまいます。また、安定して継続して就労できないために、非正規雇用から抜け出せないということも起こります。

一方で、年収が50万円ずつでも上がるにつれて、子どもへの教育の機会が増えていくことも見えてきました。

病児保育等のサポートを活用できる家庭が増えることで、子どもが小さな頃から、安定して働き、職場での信頼を得て、キャリアアップできる母親が増えるはずです。世帯の収入も上がり、子どもの未来も拡がります。

実際に、プロジェクトページでもご紹介している直子さんのご家庭では、子どもの病気の際でもシフトに入り安定して働いてきたことが評価され、パート社員から契約社員にステップアップすることができました。(詳細はこちら

ひとり親家庭が安心して働き、親子が安心して毎日を過ごせるように。
引き続き、どうぞ応援よろしくお願いします!

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