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ひとり親家庭の実情 利用者インタビュー①|クラファン特別企画vol.1

皆さん、こんにちは。ノーベル ファンドレイジングチームの徳増です。

これまでノーベルでは、みなさまからのご寄付をもとに、2013年からのべ426世帯のひとり親家庭へ「訪問型の病児保育サポート」を届けてきました。
発熱時などに、親にかわり自宅で病児ケアをおこなう病児保育。「使いたくても、経済的余裕がなくて使えない…」そんなひとり親家庭に、通常月11,000円程度かかる利用料を月1,000円で安価に提供し、親御さんの安定した就労を支え、子どもたちの成長を見守っています。

2024年、コロナ禍を経て、改めてひとり親のご家庭の実情をお聞きできればと、ノーベルの利用会員である2組のご家庭に訪問し、お話をお聞きしました。

そしてそれが今回のクラウドファンディング挑戦のきっかけにもなっています。

利用会員の方からも「ぜひ実情を知ってほしい」というお言葉をいただき、レポートにまとめましたので、ぜひお読みいただければと思います。

病児保育の利用で、子どもとレジャー施設に行ける希望が見えてきました

今回、寝屋川市にお住まいの直子さん(仮名)にお話を伺いました。
直子さん(仮名)は2023年12月に夫と離婚し、現在は祖母宅に住む18歳長男と同居の5歳次男の生活を一人で支えています。経済的な不安を抱える中、ノーベルの病児保育サポートを利用したことで、新たな兆しが見えてきました
そんな直子さんに、ひとり親の暮らしと病児保育がもたらした変化についてお話を伺いました。

─ 現在の生活について教えていただけますか。

「今は寝屋川市に住んでいて、2023年の年末に夫と離婚しました。大阪市内の祖母宅にいる18歳の長男と、私と同居する5歳の次男の生活費をすべて一人でまかなっています。小売業でアルバイトをしていますが、月収は手取りで約15万円ほどです。賃料や食費、光熱費を払うと給料前にはもうお金が底を突いてしまいます…。クレジットカードを頼ることでなんとかひと月を乗り越えるのですが、そのクレジットカードの利用さえ、止められて困ることがよくあります」

─ 食事や生活費のやりくりも厳しいですね。

「そうなんです。子どもたちの食事は保育園の給食が頼りで、夜ご飯はインスタント味噌汁と白米だけという日もあります。あまりにひどい食事内容なので、自分の記憶に残したくないくらいです。本当に経済的に困窮していて、食べるものがなくて困ることも多いんです」

─ ひとり親家庭では、お子さんの病気でさらに負担がかかることもあるかと思います。

「その通りで、一番困るのが子どもが病気のときですね。頼れる親族は母だけですが、母にはすでに長男の面倒をお願いしているので、次男の面倒を見てもらう余裕がありません。保育園では37度5分以上の熱があると子どもを預かってもらえないため、私が仕事を休むしかないんです。毎回、職場に電話して休むのはストレスで、肩身が狭い思いをして働いています」

─ 非正規雇用のため、仕事を休むと収入が減ってしまう点も問題ですね。

「はい、休むとその分収入が減るので、生活がさらに厳しくなります。でも、誰かに預けようとしても、自分の時給よりも高いサービス料がかかることが多くて。結局、職場に行くしかないんです。頻繁に休んでしまうと職場の信頼も失いかねませんし、収入が増えなくても長期的には出勤したほうが自分のためになると思っています」

─ お子さんへの影響もあると思いますか。

「そうですね。子どもにも我慢させていると感じることがあります。プールなどのレジャー施設には連れて行けていませんし、夏祭りに行ったときも会場に着いたばかりで次男が『疲れたから帰る』と言い出してしまって…。きっと『お母さんは疲れている』とか、『無理を言うと怒られるかも』と、子どもに気を遣わせているんじゃないかと思うんです」

─ 心の余裕がないときもありますよね。

「本来なら怒る必要がないときでも、心のゆとりがなくて、つい声を荒げてしまうことがあります。そういう日々の積み重ねで、子どもも我慢するようになっているかもしれません。

正直、子どもの成長を喜べないでいます

来年、次男が小学校に進学するので入学資金が必要ですし、ランドセルも新しいものを買ってあげられず、長男のお下がりしかないんです。13年前のボロボロのランドセルだけど、使えるなら使ってもらおうと思っていますが、将来が不安で睡眠も十分にとれていません」

─ そんな厳しい状況の中で、ノーベルの病児保育サービスを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

「知人が教えてくれました。ノーベルを利用するようになってから、一番良かったと思うのは『子どもが風邪を引いても安心』という気持ちです。今までは病児保育施設が予約できたとしても預かり時間が短く、結局遅刻や早退が必要でしたが、ノーベルのおかげで職場での肩身の狭い思いも減り、堂々と働けるようになりました」

─ 病児保育があると、仕事においても変化があったんですね。

「そうなんです。子どもの病気で休むことがなくなったことで、職場での評価も上がり、10月からは時給も上がりました。今までレジャー施設などには連れて行けなかったけれど、今後はワンシーズンに1回くらい、子どもと外出して楽しむ機会も作れそうです。経済的にはまだ厳しいですが、ノーベルのおかげで少しだけ気持ちに余裕が持てるようになりました」

ひとり親家庭の切実な声に触れて感じた、病児保育サポートの大切さ

インタビューを通じて、改めてノーベルの病児保育をひとり親家庭に届ける必要性を感じました。

お母さん方は必死に働いても、子どもがいることで働ける時間が制限されます。限られた収入で何とか生活を回そうとしますが、子育てに必要な金額には届かず、毎月クレジットカードを頼ることでやっと乗り越えているのが現状です。
そんな「出口」の見えない生活に、疲れ切り追い詰められているお母さんの姿が印象的でした。

しかし、ノーベルの病児保育がそうしたご家庭の基盤を支えるサポートになっていることが、とても嬉しかったです。
病児保育を利用することで、職場での評価が上がり、結果的に時給も上がりました。
その収入増加により、これまで我慢していたお子さんとの外出を楽しめるようになる可能性がでてきました。

ひとり親支援を行う団体や取り組みは他にも多くありますが、手続きが煩雑であったり、すぐに利用できないことが多く、結果的にノーベル以外のサービスはほとんど利用できていないそうです。

そんな中、ノーベルのサービスをご利用いただけているのは、「当日の朝8時までの予約で100%対応」を実施しているからです。
「子どもが風邪を引いてもノーベルさんにお願いできるから安心」とおっしゃっていて、当日の予約でも確実にサービスを利用できる安心感というのが、親御さんにとって、どれほど助けになっているか、感じることができました。

ひとり親家庭を支えるためのご寄付のお願い

仕事と子育てを一人でこなすひとり親家庭にとって、病児保育のサポートは生活の安定に欠かせないものです。しかし、支援できる世帯数には限りがあり、支援を必要とする方々すべてに情報が行き渡っていないのが現状です。

日々、ひとり親家庭の親御さんたちと接する中で、「物価が上がり、明日の食事さえも用意するのが難しい」「生活に余裕がなく、子どもの成長を喜ぶ気持ちの余裕もない」など、切実な声が多く届いています。

ノーベルは今年、100世帯のひとり親家庭をサポートしたいと考えていますが、そのためにはあと570万円のご支援が必要です。

2025年2月14日まで、私たちはクラウドファンディングを実施しています。
どうか、病児保育という安心を必要とするひとり親家庭に届けられるよう、皆様のお力を貸していただけませんでしょうか。

お預かりしたご寄付は、ひとり親家庭のための利用料等に充てさせていただきます。

どうか下記のリンクから、温かいご支援をお願いいたします。

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