(2024.01.25更新)
社会の課題
産後家庭の支援を学ぶ|子育て家族のまるごとサポート
皆さん、こんにちは。ノーベル広報担当です。
仕事と育児の両立を総合サポートする『子育て家族のまるごとサポート』をスタートするにあたって、産後女性の気持ちや身体の変化、または環境の変化によって起きる様々な問題やそのケアについて学び、理解を深めようと、これまでも実践経験の豊富なNPO法人マドレボニータさんに講座を開いていただきました。
ここでは、その様子をお伝えし、産後のご家庭のサポートをどのようにすればよいか、感じ取ったことをまとめてみます。
マドレボニータさんは、産後ケアの教室を全国で展開し、カップル向けのオンライン両親学級から、ストレッチやリフレッシュの教室やインストラクターの育成まで産後ケアの普及に幅広く取り組んでおられるパイオニア的な存在です。
また、産後ケアの必要性を訴え、世に広く啓発する産後白書などの調査レポートも発行されています。
産後の女性の心と身体の変化
講座の中では、産後の女性の心と身体の変化の基礎的な知識から、実際に支援するにあたって考慮するべき点など、様々な観点から産後女性のケアについて教えていただきました。
例えば、産後の「つらさ」について。産後つらい思いをした、またそれをこうやって乗り切った、という経験は、誰しもあると思います。だからといって、すでに出産・産後の育児を経験している支援者の経験がそのまま同じように活かせるとも限りません。つい自分の経験をはなしてしまいそうになりますが、「つらさ」の程度も質も人によって全然違ってくる、ということを意識して「その人がどうしたいか」に寄り添いながら支援にあたる必要があると学びました。
また産後は、「自分をいたわる」ということが難しい時期です。
ぱっと見でお腹が大きいとわかる妊娠中とは違い、周りの目も、自分自身も、赤ちゃんにいきがちです。産後の女性自身もいろいろな心身のトラブルもあるはずなのに、つい頑張ってしまいます。どうしたいか、なにがしんどくてどういうサポートがあればいいのか「一緒に考える」という姿勢が大事だとお話しいただきました。
産後はどうしても頑張りがち
産後間もない頃は、母体も傷ついているなかで、産後の女性自身、安静にして養生することが大切になります。
しかし、小さな赤ちゃんのお世話や家の中の様々な家事とやることがいっぱい。つい頑張ってしまい、自分のことをおろそかにしがちになってしまいます。そのまま頑張り続けてしまうことで、いつか限界がきてしまい、産後うつになることも…
産後の女性のそうした心理にも配慮しながら、産後のケアに集中してもらう、ということも必要なのだと感じました。
産後クライシスとは?
こうした産後女性の心身の変化についてお話いただいた後に、産後家庭をより社会的な視点で捉えた内容もお話していただきました。令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果によると、離婚したカップルのうち、末子の年齢が0~2歳までの割合が約4割にもなる、とのデータがあり、産後に夫婦の危機「産後クライシス」が訪れる事が多いと言われています。
また、産後うつになった女性の割合は、人の行きかいが制限されたコロナ後では、4人に1人とも言われています。マドレボニータさんの『産後白書』によれば、42%の女性が「産後うつ」の一歩手前の状態だったと回答しています。
産後の忙しい時期に、実際にはなかなか心療内科には行けない、という方が多いかと思うので、より現実的なデータだと感じます。
本当にギリギリの中で子育てをしている女性がいかに多いかがわかります。
また、女性だけでなく、男性もまた産後うつのリスクもあります。男性にとってもまた、仕事も家族もおろそかにできないというプレッシャーもあります。親自身のケアがおろそかになると、子どものケアにも影響が出てきます。
最近は、男性も積極的に育児に参加するようになってきていますが、産後クライシスに陥らないためにも夫婦間でどう助け合って一緒に乗り越えていけるか、といった視点が支援でも大切になっていきます。
子育てを家族だけでやらない
マドレボニータさんでも、「マドレ式産褥ヘルプ」という取り組みを実践しておられます。これは、友人や地域の人たちが時間と人手を少しずつ出し合って助け合い、産褥期の養生のサポートをする、というものです。
実際に取り組むに当たっては、お互いに負担にならないための心得や作法などを身につける必要がありますが、これができればとても強力なサポート体制が作れるな、と感じました。実際にスライドでは、友人のお子さんの沐浴をしたり、一緒に御飯を食べて談笑したり、ととてもいきいきとしたサポートの様子を見せていただきました。
子育てを家族だけで完結するのではなく、周りにもたくさん頼ることができる仕組みがとても素敵だと感じました。
まとめ
マドレボニータさんからは産後女性の取り巻く心身の変化や社会環境、そしてマドレボニータさんですでに実践されている方法などをとてもわかりやすく学ぶことができました。
講座を受けたスタッフからは、
「産後ケアに入る前にケアスタッフとして母体の状態などを改めて学ぶ機会があって良かったです。自身の経験はほんのごく一部にしか過ぎないことを実感し視野を広げることができました。」
「お母様がしっかり休養し、そして身体が回復しお仕事復帰や子育ても家事もパートナーとの関係も良好になれるよう、少しでも肩の荷が降りるサポートできたらなと思いました。」
「親御さんが何を求めているか、私たちがすることのto do リストも明確にして取り組む必要性があるなと感じました。」
といった感想があがり、これから実際にサポートをしていくにあたり、より意識が高まったと感じています。
ノーベルでも、これから2人目、3人目を産みたいというご家庭のサポートやまだ産後間もないお子さんのいるご家庭のまるごとサポートに入ります。
今回の学びも活かしながら、子育て家族がみんな安心して納得のできる家事・育児、そして仕事ができるようトータルサポートを実践していきたいと思います。
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