代表高亜希ノート

【共同代表募集イベントレポート】後編:代表 高と理事2名によるセッション(募集は終了しました)

<共同代表の募集は終了いたしました、多数のご応募ありがとうございました>

先月発表し、多くの方から反響をいただいている、今回の「共同代表募集」について。

共同代表募集のイベント開催に関するレポートを、
共同代表募集|イベントレポート(前編)▶︎ ノーベルのこれまで。
共同代表募集|イベントレポート(中編)▶︎ ノーベルのこれから。募集背景について。

に続き、後編として、代表の高と、理事2名によるセッションの内容をレポートします!

セッション|代表の高、理事2名が登壇

登壇メンバー(写真左より、代表の高、理事の吉田・桑田)

MC:まずは、理事のおふたり、簡単に自己紹介を。

吉田:「広める部」のマネージャーをしています。
ちなみに、ノーベルは三部門から成り立っているのですが、
バックオフィス・管理本部機能の「創る本部」、
病児保育事業を管轄する「育てる部」、
マーケティング、広報、採用、ファンドレイズなどを担当する「広める部」があります。

桑田:企業で言うところの取締役会のような機能を持たせて、第三者的観点から健全に進んでいるか、2年前から経営を判断する役割をとっています。

ノーベル理事

セッション|どうしてノーベルに関わろうと思ったのか?

吉田:以前は、民間企業で働いており、仕事と子育ての両立はこんなに大変なんだと壁にぶち当たりました。利用者として「病児保育」を検索したときにノーベルを知りました。
そこでノーベルの ビジョンを見て、「そうだよな、当たり前に働けないんだよな…」ということに
すごく共感をしてノーベルにやってきました。

桑田:前職の民間企業を辞めたのは去年なのですが、代表の高とは以前から知り合いでした。
そんな中で、働くお母さんのために事業をしたいと相談を受けていた。
経営を一番最初にしたときに、手作りで行っていた。
マーケティングも当時は、ネットの発達も今ほどではなく、高が保育園や学校で出待ちをして親御さんにビラを配ったりしていたそうなんです。その時に、相談を受けたのが一番初めのきっかけですね。

ノーベル理事吉田

セッション|NPOと企業との違いは?

桑田:今日はご出席の皆さまは(企業とNPOと)半々くらいだと思うんですが、僕から見た視点にはなりますが、法律上とか財務上の違いは高が前段で言いましたとおり、NPO側の良さとしては「ビジョンに対して」という言葉が出ました。
他の企業や団体の顧問もやっているんですが、そういうところのジレンマとしては、ダブルスタンダードにならざるを得ない局面があります。

例えば上場していると、企業の場合は必ず右肩上がりの拡大再生産をしないといけないですし、会社のいろんな考え方はありますが、株主のためだったり、ということがあります。ステークホルダー自体が、単純に、我々が集っている仲間のビジョンであったり、課題解決ということで日々の意思決定をする、というわけにはいかない状況がありますよね。

違いの部分でいえば、ノンプロフィットって言われてますけど、利益は出してもよくて、それを何に使えるかというと「ビジョンの実現」。ビジョンは社会課題の解決にある。そういうところは、企業の意思決定のポイントとちょっと違うんです。

企業だと、「見えている事実から、その利益は本当に守られるのか」という部分を重視するんですが、そこよりもむしろ、我々のビジョンからして、誰がカスタマーで、どんな困りごとがあって、それに対して、今自分たちが最低限守れる利益があるのであれば、「ビジョン」を実現するために我々の意思決定をしよう、みたいなことが経営会議でもけっこうあるんですね。

それは僕にとってはとても新鮮。両方に身を置いている身として頭の切り替えが難しい部分でもあるのですが、この10年間くらいで、この違いというのは、けっこう融合されてきている気はしていて、企業の中でもそういう意思決定をすることで、株主からより賛同を得られる場合も出てきてはいるんですけれどもね。

でも、やはり違いとしては、はっきりと、NPO側にはそういうのがあるかなと、いうふうには思っています。

吉田:ノーベルの飛び込んだ時は、理事でもなく1スタッフだったので、現場の目の前の仕事としては、NPOも株式会社も違いはさほど感じなかったですね。

さっきの桑田さんの話をもう少し現場の具体例でお伝えすると、「誰もが使える病児保育にする」というのを本気でやっていて、実は少し前にも料金改定で値下げをしてるんです。財務シミュレーションを繰り返し、少しでも利用者が使いやすい料金に改定できないか議論を重ねての結果です。

また、例えば、毎月1000円の支払いが困難なご家庭にも出会ってきていまして、、ビジネスの世界であればすぐ利用停止状態になると思うのですが、ノーベルの利用が生命線になっているご家庭もあるので、取引をストップさせるのではなく、どうにか毎月ワンコインでも支払いを継続していただくことをご相談したり、一方で、利用料が膨らまないように、ほかの手段なども一緒に探すなどコミュニケーションをとっています。

高:ビジネスで成り立たない領域は必ずあると思うんです。

例えば、受益者が負担できるかどうか。
受益者が負担できないところまでサポートするのかどうか。
そこに寄り添えるのは、NPOではないかと思っています。

セッション|ノーベルってどんな組織?

高:えーっと、「やわらかい」です。
最近はビジネスセクターからの採用も増えているのですが、
保育や福祉の領域から採用しているスタッフが多く、本当に「現場第一主義」です。
常に目の前の親御さんとお子さんをどうしたいのか、を真剣に議論しています。
あとは、ランチのときに、昨日自分がお預かりしたお子さんが、どんなに可愛いかったかを
スタッフ同士で延々話していますね(笑) ちょっと私はその輪には入れないんですが(笑)

吉田:ノーベルのバリューで「問題が解決するまで現場に寄り添い続ける」というキーワードが出ましたが過去に、障がいを持ったお子さんがいるお母さんから問い合わせがあったとき、その当時のノーベルでは安心安全にお預かりができないと判断をして、お断りしたたことがあるのですが、ノーベルとしてご両親に対して納得のいく説明が出来ませんでした。

それに対して代表の高がブチ切れて…(汗)

職員全員集合で、何を大切にするのか、どういうサポートを目指すのかを部門を超えて、みんなで話し合うようなケースも日々あります。

桑田:例えるなら「昭和のバケツリレー」でしょうか、いい意味ですよ(笑)
近所で火事があったら、自分の家でなくても駆けつけて助け合うというイメージです。
垣根がないというか。
ノーベルは利用者さんががいつの間にかスタッフになっていることもあり、みんなで一緒に作っているという感覚が特徴としてあります。

バケツリレーは、「誰かだけがしんどいわけではなく、誰かがいないと繋がらない」。逆を返せば、役割がはっきりしていないということも言えるが、1つの目的に対してみんなで継いでいっているという良さはありますね。

セッション|これから規模は大きくなっていくが

高:「バケツリレー」はやめたくないですね(笑)
ノーベルの「ビジョン」「ミッション」「バリュー」「行動指針」を重要視して、何か課題あればそこに立ち返る。そこさえあれば、なんとかなると思っているので新しい共同代表とも一緒にやっていきたいです。

ビジョン

セッション|ソーシャルセクター、ぶっちゃけ話と理想と現実は?

桑田:以前、ノーベルはGoogleインパクトチャレンジで賞金5000万円を獲得しましたが、5000万円の事業を実現させられる人材がいない現実がありました。
ノーベルだけではなく、ソーシャルセクターが抱える問題として、そういう人材を採用できない。
採用の壁が高い。

ノーベルっていい団体なのだからもっと給与をもらってもいいのではないかと思っています(笑)
そういう給与面なども含め、ソーシャルセクターとビジネスセクターの行き来がもっとできるように
なればいいなと思っていて、今回、そこにチャレンジしようと思っています。

吉田:私も最初の半年は無給で働いていましたし(笑)今、働いている本部スタッフも給与は安いです。だから、「自分で稼ぐ」という気概がないと、続けるのは難しいのかなと思います。

NPOはビジョンを重視するので、利用者さんへのサポートが優先になってしまい、組織内部への待遇改善は後回しになってしまっているのかもしれません。

高:5000万円を使いきれない、組織づくり、新規事業を展開する人材がいない、など問題に
ぶち当たってきたので。

NPOにありがちな価値観に対して変化をさせていこうという決断をしました。それが今回の共同代表募集に繋がりました。

セッション|これからの時代のソーシャルセクターと私達

吉田:今、ノーベルの他に、Collective for Childrenという団体に広報として関わっていますが、NPOは横のつながりもあり、例えば、マーケティングのノウハウとかって、株式会社だと資産だと思うので、ほかの会社にそうそう簡単にシェアしないと思うんですが、NPOだと協力し合う、情報をシェアし合う、という雰囲気があります。社会がそれで少しでも良くなるなら、という意識ですね。

ビジネスセクターとソーシャルセクターの垣根というのは特に考えていなくて、ビジネスセクターでも面白そうであれば飛び込んでみたいと思います。

 

MC:今、ソーシャルでどんなことを経験として積まれていて、どんなことが自分の売りだと思いますか?

吉田:前職では企業の中のメンバーの1人、自分で決める、という経験はさほど多くなかったです。
小さな組織だからの特徴だからかもしれませんが、決断をして行動する、責任を負う、という力は身に付いていると思います。
自分が動かないと、誰もやってくれないし、モノゴト動きませんからね(笑)
自分の成長が、団体の成長に直結していて、その団体の成長が、社会変革に繋がっていると感じます。

桑田:最近の傾向として、今まででは考えられなかったような、年収3000万円くらいもらっているような人がソーシャルセクターでチャレンジし始めています。
世の中に対して、今までビジネスで得た物を難しいソーシャルの世界で再現ができるのかというところを自身も学んでいますし。にチャレンジする人が増えていると思います。

高:今回の共同募集の中で、理事の桑田がビジネスセクターから様々な「リソース」を持ってきてくれました。それは今のノーベルではリーチできない部分だったりします。ビジネスの世界の人が、ソーシャルの世界にくると、一気に流れが変わる気がしています。足りないものを持ってきてくれるのではないかと。

ビジネスとソーシャルの融合が必要だと確信に変わりました。ここ10年を見ると、貧富の差が広がり、社会課題を抱える当事者が増えている社会に対してビジネスを仕掛けていかないといけないが、そんな中でソーシャルセクターとの繋がりは大事になってくるのではないかと思っています。

ノーベルは、その繋がりの先駆けになりたいです。
今はそのスタートをノーベルが切るのだとワクワクしています。

これからの10年を「作る」ことをしていきたいと思っています。

共同代表|イベント開催内容について

東京会場・大阪会場でのイベント開催内容を各ブログにてアップしています。
詳しくは下記よりご確認ください。

▶︎共同代表募集|イベントレポート(前編)
▶︎共同代表募集|イベントレポート(中編)
▶︎ノーベルの「ビジョン」「ミッション」「バリュー」

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