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ノーベルのこれまでとこれからを語る 近況報告会開催レポート【後編】

皆さん、こんにちは!ノーベル事務局です。このブログでは、今年11月に開催されたノーベルの近況報告会で、代表・高からお話しさせていただいたノーベルのこれまでとこれからについての内容をご紹介していきます。
前編ではノーベルの設立から2019年に迎えた10周年、そして2020年のコロナ禍に突入するまでをお伝えしました。後編では、その後ノーベルがどのようになったのか、そしてこれからどのように進んでいこうとしているのかをお伝えしていきます!

子育ての担い手がイキイキする土台づくり

2021年には、病児保育のお預かり件数はV字回復を遂げます。しかし、コロナによる現場の混乱はこの後も続いていきます。
このような中、2021年の10月、ノーベルは前年に始めた新事業からの撤退を決断します。理由は、病児保育事業の立て直しに注力すべきと判断したこと、コロナ感染のリスクを負いながら保育現場に出ている保育スタッフたちをしっかり支えられるよう、担い手にフォーカスしようと判断したからです。
ここから、本格的に保育者の学びの場づくりに着手します。研修体制の見直しや、保育先への直行直帰でなかなかお互いに繋がりを持ちづらいスタッフ同士がコミュニケーションをとれるような仕組みを作るためのプロジェクトがスタート。Googleから担い手育成のための助成を獲得するなど、混乱しつつもノーベルは前に進んでいきます。

近況報告会

2022年、感染症のトレンドが大きく変化

そうして迎えた2022年。2022年は感染症のトレンドが大きく変化した年でした。複数の感染症が同時多発で広がり、それまで蓄積してきた感染症のトレンド分析のデータがまったく生かされなくなります。その結果、創業以来ずっと守り続けてきた「100%お預かり対応」が守れず、保育依頼をお断りせずを得ない状況になってしまったのです。ノーベルを信頼して依頼してくれている会員さんへの申し訳なさや、100%対応を守るために新たな入会を制限せざるを得ない状況で、現場も疲弊していきます。

近況報告会

ノーベルのこれから 新事業に向けて動き出す

2023年の終わりに差しかかっている今も、入会を待ってくださっている方々に1日でも早くノーベルの病児保育をお届けできるように、試行錯誤を続けています。一方で、ノーベルのビジョンである「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」の実現、そして2019年の「両立をつくりなおそう」宣言を成すために、もう一度進もうと決心し、2022年以降本格的に準備をしてきました。それが、病児保育以外のニーズに応える、総合的に両立家庭をサポートする新事業の開発です。2022年はコロナ禍を経て両立家庭のニーズはどのように変化したのかを知るための調査を行い、そこで見えてきた課題をもって2023年にはノーベルとしてどのようなサポートができるのか、社内で対話を重ねてきました。そしてこの11月に発表したのが「子育て家族のまるごとサポート(通称:まるサポ)」です。

新事業の出発点「大変だけど周囲に頼れないのはなぜ?」

「子育て家族のまるごとサポート」

この「まるサポ事業」では、調査結果から見えてきた、「第三者を頼りたいけれど頼れない」という子育て世帯の現状にフォーカスを当てました。「どうしたら依頼のハードルを下げて、必要な助けを得られるようにできるのか」模索する中で見つけた一つのカギが「意思決定の難しさ」でした。人が何かを選択し決定する時には個人の考え方や価値観、周囲の状況など様々な要因が影響を与えます。拡大して、子育て家庭が第三者に家事や育児のサポートを依頼しようとするときには、夫婦それぞれの子育て観や仕事の状況、周囲のサポートの有無など複雑に絡み合う様々な要因を理解した上で、自分たちに合うサポートを選択する必要があるのです。

子育て家庭が両立生活を乗り越えていくための仕組みづくりをお手伝い

この意思決定の難しさを解消するために、ノーベルは行動経済学と認知行動科学の専門知識をかけ合わせて課題解決に取り組むCoBe-Tech株式会社と協同し、各家庭の特徴を知るためのアセスメントツールの開発を進めています。
新事業「子育て家族のまるごとサポート」では、子育て世帯が家族と協力し、必要に応じて人の手を借りながら両立生活を乗り越えていくための仕組みづくりと、そして実際に必要な暮らしのサポート、この2つを提供していきます。
まずは病児保育の利用会員さんの中からモニターを募集し、必要な人材やアセスメントツールの有効性を検証しながら、新しい事業を形作っていこうと思います。

「子育て家族のまるごとサポート」ノーベルは続けて進んでいきます

ノーベルが目指すのは設立当初も今も変わらず「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」です。そのためには、家庭だけでなく社会全体で子育てができるように、今よりもっと変化していくことが必要だと感じています。そのためにも、子育て家庭のサポートと、保育の担い手がイキイキする土台づくり、そして社会全体への働きかけ、この3つを柱として一層前進していきたいと思います。

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ここまで、ノーベルの設立からこれまで、そしてこれからについてお伝えしてきました。最後に当日の質疑応答の内容と後日のアンケートで参加者の方からいただいた感想の一部をご紹介します。

近況報告会

質疑応答

Q:新規事業(まるサポ)は行政のファミリーサポートとはどんな点で違いがありますか?
A:ファミリーサポート事業は国が定めたルールの中で運用されているけれど、まるサポ事業は各家庭で何を求めているかニーズに沿って設計をしていく、そこに違いがあると思っています。また、暮らしのサポートの部分ではノーベルが請け負うだけでなく既にあるサービスにつなげていくことを考えています。行政の事業では行政サービスしか紹介できないけれど、私たちのような民間がやることで行政だけでなく民間のサポートも紹介することができるので、幅の広さが違ってくると思います。

Q:やってきて楽しかったことや達成感を得たエピソードを教えてください。
A:今でも一番モチベーションになっているのは利用者さんの声です。保育1件ごとにアンケートを取っているのですが、その回答を見るのがとても好きで、病児保育が助けになっているんだなということが実感できます。あと、いろんな人が応援して助けてくれることも大きいです。私たちだけではできないことも、助けてというとサポートしてくれる人が現れる。そういう人たちの支えがあってノーベルが成り立っているなと感じています。

参加者の感想

・代表の生のお声、スタッフさんともお会いでき、今後に安心・期待できました。
時代を先取りしての新しい試みの数々、感心しています。大変勉強になりました。
・色々な考え方ややり方ができる現在、本当に大事なことを根っこに持ちつつ自らも形を変えつつ取組みを進めるのはとても大変なことだと思いますが、『対話』をしながら進められている姿に共感しました。
高さんの志やポジティブなノーベルスタッフの皆様に刺激を受け、本当に自分のやりたい仕事に取り組む工夫や決断をしていきたいと思いました。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。今後も続けて、ノーベルに関わってくださっている皆さんとface to faceでお会いする場を作っていきたいと思います。今回は参加できなかったという方も、今後またの機会に、ぜひご参加くだされば嬉しいです!

近況報告会開催レポート前編はこちら

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