(2021.12.07更新)
ノーベルと学ぶ保育
病児保育奮闘記|体温が41℃に!救急車?病院?高熱にスタッフの取った対応とは
日々の保育で出会うお子様とのやり取りご紹介する病児保育奮闘記。
今回はかなり高熱でのお預かりとなり、40℃超えに。さすがにスタッフもドキドキする体温になりましたが、どう対応したのでしょうか。「子どもの病気を自分で看病する」という親御さんにも参考になるレポートです。
予約時のお子様の様子
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お子様プロフィール
Sちゃん:1歳3カ月
大阪市淀川区在住
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2日前の朝に発熱しました。38.3度でした。かかりつけ医を受診し、喉が腫れている為の感冒と言われ、薬を処方されています。
その後様子を見ていましたが熱が下がらず、夜には40度近くになり、機嫌も悪かったので座薬を一度入れています。
前日は朝、39.1度。現在15時は38.4度です。嘔吐はありません。
とのことで、前日にご予約をいただきました。
お母さんのお見送りの後、1時間ほど絵本を読んだり、「いっぽんばし」などの手遊び歌をして遊んでいたのですが、途中から顔をこする仕草が見え、眠くなってきたようなので午前中に少しおねんね。
目覚めた後も、熱のせいかスッキリしなかったようで、さらに検温すると38.8℃。クーリングとして脇に保冷剤を挟みました。
クーリングはタイミングを見計らって、お子さんに嫌がられないように…が大切。
特に嫌がられないコツを下記にまとめてみました。
子どもが嫌がらないクーリング術
どんな時にクーリングすればいいの?
タイミングを見極めるのはとても重要です。
悪寒が出ていて、これから熱があがっていく時のクーリングは禁物です。
自分であれば、悪寒がしてブルブル震えている時が分かりますが、なかなかお喋りがままならない乳児さんの場合は分かりづらいですよね。
でも意外とカンタンです。
見極めポイントは「手足が冷たくないか」。
手足が冷たい時はクーリングはしない、
温かくなってきたらクーリング開始です。
おでこに冷えピタは意味がない…?
クーリングの基本は、血流量の多い、首、わき、そけい部(足の付け根)を冷やすこと。
おでこを冷やしても意味はないのです。
嫌がるわが子を押さえつけておでこに貼るのはやめときましょう。
(気持ちよくて好んでするなら、よいのですけどね)
おすすめクーリング方法3つ
①市販のクーリンググッズ
インターネット通販や子育て用品を揃えているショップで売っているたすき掛けタイプのクーリンググッズは保育スタッフの間でも「すごい便利!」と感嘆の声のあがる1品です。太ももにつけるタイプもあります。
市販のモノに、我が子が大好きなキャラクターのワッペンでも貼ったら大喜びでしてくれるようになるかもしれませんね。
➁ 小さな保冷剤+タイツなどでたすき掛け
市販のものを買う時間がない!今すぐクーリングしたい!という時には、ケーキ購入で付いてくる小さな保冷剤を活用してください。(おうちにあるといいのですが…我が家には常備してあります。)
保冷剤を手ぬぐいなどの薄手のタオルで巻いて、体にたすき掛けのように縛るという方法。
この方法を保育スタッフたちはよく保育中にしているようです。
お子さんのサイズアウトしたタイツやレギンスがあれば、その中に保冷剤を入れて使ってみてください。伸縮性があるのでお子さんも動きやすく、嫌がらない可能性が高いです!
ちなみに、小さな保冷剤は冷凍庫でカチンコチンに固めたものではなく、冷蔵庫で冷やした柔らかい状態のほうがオススメです。急激に冷やしすぎないことと、柔らかいほうが体になじみます。
③ 【イチオシ!】そけい部+スパッツ
クーリングを嫌がる子でも一番やりやすいのが「そけい部」です。
ガーゼに包んだり、お子さんのソックスに入れた小型の保冷剤を足の付け根あたりに忍ばせます。ワキの下や首よりも、お子さんが忘れやすいようです!この時、ゆったりしたパジャマよりも、肌に密着するスパッツなどのほうが、保冷剤が動かず固定できるので、おすすめです。
工夫次第で、意外とすんなりクーリングさせてくれることもあるので、ぜひ試してみてくださいね。
さて、熱が上がってからは機嫌が良くなく、ほとんど抱っこ。
ウトウトするのですが、お布団に寝かせると目が覚めて泣いてしまう・・・を何度か繰り返しました。抱っこでウトウト…よし、布団へ・・・がまた泣いて…。
うん、つらいよね…スタッフはずっと抱っこするよ!という覚悟でひたすら抱っこ。
水分はしっかり飲んでくれています。昼食は少しだけ食べましたが、機嫌は直らず熱もぐんぐん高くなってきて、40度になったので本部に連絡。
本部とは下記のような確認をしました。
・これまでの体温の推移
・水分の摂取できているか/脱水症状がないか
・機嫌はどうか/グズグズいっていないか
・表情はどうか/目線はあうか/ボーっとして朦朧としていないか
・体起こせず横になっている時間が長いか
・眠れているか
・他に発疹や下痢嘔吐などの新しい症状が出ていないか
お預かり前にお母さんからは「原則解熱剤は使用しない」という希望をいただいていたのですが、高熱で機嫌も悪く寝付けない状況だったので、本部からお母さんへ連絡していただきご判断を仰いで、座薬を使用して様子を見ることに。
親御さんがご自身で子どもを看ていて、高熱で受診したほうがいいのかの判断に迷う場合は、救急相談を利用してくださいね。
その後座薬を使用し1時間くらいで熱が下がってきたのでミルクを飲ませました。熱も少し下がり、汗をいっぱいかいたのでお着替え。ひとまず安心です。
熱が下がると機嫌も良くなってきて、「これが普段のSちゃんなんだろうな」というニコニコ笑顔になりました。着替えた服を洗面所まで一緒に運んだりしながら、少し和やかにお話ができました。
少し落ち着いたので、おままごとセットを全部出し入れしたり、絵本を読んだり、手遊び歌をして、楽しそうにしてくれました。(よかった!)
昼過ぎに再度検温をしたところ、39.3℃、その2時間後には再び41℃。
またつらくなったのか、ぐずってきました・・・。そりゃ、41℃になったらつらいよね・・・というわけで、また立ち抱っこでユラユラ。
立ち抱っこでユラユラ…だとウトウトまではできるのですが、布団ではなかなか眠れないようでつらそうでした。そのまま立ち抱っこのまま、お母さまの帰宅で終了となりました。
お熱が下がって、早くよくなりますように。
いつものSちゃんの笑顔に戻れるように祈りながら帰宅しました。
親御さんの声
最初に来ていただいた時から、笑顔でゆったりお話して下さって、安心することが出来ました。保育中も丁寧に見て下さっていたと思いますし、娘がずっと抱っこをせがんでいたとのことで、応えて頂いてたとのことで、ありがたく思いました。
熱が急に上がってしまい、座薬の件でお電話を頂きました。こちらの意思決定まで少しお時間を頂いてしまったのですが、電話口で待って頂いて、ご配慮頂いていたと思います。
保育士、看護士等の有資格者でなくても、こんなに安心してお預けすることが出来るとは思っていなくて、嬉しく思いました。月会費の関係で今回が初めての保育依頼だったのですが、今後も安心してお願いできそうです。ありがとうございました。
保育スタッフより
お母さんが高熱のお子さんをお家においてお仕事に出かける際には、後ろ髪をひかれるような気持になりますよね。スタッフ一同そのことをよく理解しておりますので、お母さんの代わりにはなれなくても、愛情たっぷりの抱っこを1日中させていただきました。Sちゃん、早くよくなりますように…!
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