(2016.06.12更新)
ノーベルの保育品質
病児保育奮闘記|寝ている間にどんどん高熱に…起こして座薬を入れるべきか否か
日々の保育で出会うお子様とのやり取りご紹介する保育スタッフ奮闘記。
今回は大泣きで始まった保育で、午後にかなりの高熱となってしまった病院嫌いのRくん(3歳)のケースをご紹介します。
お子様プロフィール
Rくん:3歳
大阪府吹田市在住
――――予約時の状況―――
前日の晩から元気がなく、夜中に嘔吐し、朝になって発熱という事で 当日利用予約をいただきました。
お母様のお見送り時から大泣きしてしまったRくん。
お母様もRくんの様子に合わせて、気持ちを受け止めながら、時間をかけてご出勤されました。
その間、大泣きしながらも心の中では折り合いを少しずつつけていっていたのか、ドアの鍵はRくんが自分で閉めていました。
お見送り後も、玄関で5分ほど泣いていましたが、 スタッフがゆっくりと時間をかけてRくんの思いに寄り添いながら、(17キロあるRくんでしたが)抱っこもいっぱいして仲良くなっていき、その後はトーマスを見て落ち着きました。
「ゴードンが好き!」と教えてくれた後、少し食欲が出てきたようで、冷蔵庫へGO!
ゼリーをきっかけに食欲も出てきたようで、「朝ごはんも食べる!」と意欲満々。
おかゆを完食されました。
お母様からは、病院も大の苦手とお聞きしていたとおり、 病院への準備をすることに対して、初めは、床に張り付いていたRくんでした。
そこで、ゆっくりゆっくり時間をかけて誘っていったところ、
「外へ行くんでしょ~!」とRくん自分から着替えて、「Rくんのつくした(靴下)は?」と意欲満々に。
靴を履いたところで、なぜか「砂場行こうか~!」とRくんから手をつないでくれて、受診へと向かうことができました。
病院へ向かうタクシーに乗ってから「ねぇ、タクシーどこ?」とRくん。
「この車がタクシーだよ~」と言うと、納得していました。
降りるときは、「ありがとうございました!」と元気に挨拶できていましたよ。
受診の待ち時間から眠くなってきて、20分ほどよく眠りましたが、起きて受診したところまさかの「座薬」。
でも頑張って済ませて、先生にもきちんとご挨拶できていました。
薬局に行って待っている時間から帰宅まで、また、帰宅してすぐに少しお茶を飲んでからはずっと眠っていました。
ところが、寝ている間にぐんぐんと体温が上がり、座薬の使用希望の体温を超えてしまいました。
本部と座薬を使用するか否か相談して、今回はクーリングをしながら、様子を見ることに。
そこでお母様が帰宅されました。
目が覚めたRくん、お母様に膝枕されながら、うつろながらに一生懸命今日のことを何度も話していました。
まさかの浣腸もあった受診となり、Rくんにとっては試練の日でしたが、
「先生が、抱っこしてくれたの~、絵本も読んでくれたの~、タクシーも乗った。」
「ママも先生も、大好き」
と報告していて、 お母様もうるうるしながら何度も話すRくんのお話に耳を傾け、頷いてずっと話を聞いておられました。
その後、お母様のお話の中で、
「実は、週末で私も疲れていて、 昨日の夜、ご飯も食べない、部屋のおもちゃは、ぐちゃぐちゃにする、 布団を敷いてもぐちゃぐちゃにするので、わがままだと思って叱ったんです。そのときは、体調が悪くなる前兆だと気づかずに。だから、朝は、私が家から出ていくのだと思って(泣いて)いたのだと思います」と。
お母様とお話ししていて、いろいろと、今日のRくんの姿と繋がったところもあり、十分に思いに寄り添うように心がけて良かった、と思いました。
帰りは、私が帰るのが嫌だと怒ってくれて、 しんどいのに玄関まで走ってきてくれて、じーんとしました。
今日はRくん、ほんとにお疲れさま! 早く元気になれるといいね。
子どもがものすごく機嫌が悪く大変だったが、すぐに打ち解けてくださり、親身に保育してくださいました。 フレンドリーで私も好感を持ちました。
保育の報告が大変わかりやすかったです。夜中に嘔吐し、朝から熱が出たので、私自身も大変不安な中でしたので、とてもホッとしました。
本部スタッフより
起こして座薬をするべきか、はたまたそのまま寝てもらうべきか… 一日に何度もお尻を刺激するのも、Rくんにとっては辛いことですよね。
実務経験の長い保育スタッフでも、原則をしっかり理解しつつも判断に迷うケースは多々ありますが、 そんなときはノーベルでは本部に相談して判断を仰ぐことになっています。保育スタッフ一人で判断せず、親御さんにも確認を取るなど行い、総合的に判断し処置を行います。
今回の本部の判断としては、受診ですでに一度座薬もしていること、ぐっすりとよく寝ていることからクーリングで様子を診てもいいのでは、ということで クーリングしながら様子を見ました。
参考:熱性けいれんガイドライン
大泣きからスタートした1日でしたが、 スタッフがじっくりと寄り添った結果、「先生好き」と言っていただけるくらいにまで 関係性を持てたようで、ホッといたしました。
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