(2026.02.02更新)
代表長谷亜希ノート
まるサポ開発舞台裏⑤まるサポは少子化を緩和できるかも?! 「もう一人産むなんて無理」が「産んでみよう」に変わるまで。
親子の暮らしをまるごと支える新たな挑戦「まるサポ(まるごとサポート)」の開発舞台裏シリーズ、第5弾です。今回は、正式リリースに先駆けて実施した「モニター利用」にご協力いただいた、あるご家庭のケース事例をご紹介します。
※これまでの実践の記録は下記です。
このご家庭との出会いを通して、私はひとつの大きな気づきを得ました。
まるサポって、
もしかしたら少子化を緩和する可能性があるのではないか。
少子化対策というと、制度やお金の議論が中心になりがちです。
もちろんそれらは重要です。
でも今回のケースを通して見えてきたのは、もっと家庭の内側にあるもの。
夫婦の関係、そして、心と体の余白(家庭のゆとり)があること。
そこが整ったときに初めて、「もう一人産んでみよう」という希望が生まれるんだなと。
そんな確信をくれたケースでした。
2人目はほしい。でも今の状態で2人目は考えられない。
T家では夫は多忙な会社員。接待や出張も多く平日はほぼ不在。
妻もフルタイムで復職し、1歳児のお子さんがいて、頼れる親族は近くにいません。
外から見れば「よくある家庭」に見えますが、内側ではギリギリの状態でした。
仕事と育児の両立への納得感が持てず、夫との育児オペレーションもすり合わない。
晩ごはんを考えるだけで頭のリソースが奪われる。そして何より「2人目を望むのに日々に余裕がない」という焦りがありました。
追い打ちをかけたのが、夫への転勤の可能性でした。
妻は東京への環境変化に強い不安を抱えていました。
実際に満員電車の人混みで体調が悪くなった経験も語られています。
そして妻はこう漏らしていました。
「今の状態で、もう一人なんて絶対に無理です」
「産めない」の背景にあるもの
少子化というと、経済的な支援や制度整備の議論になりがちです。もちろんそれらは重要です。でもT家の状況を見て痛感したのは、「もう一人産めない」の背景にはもっと生活の内側の問題があるということでした。
それは、
- 夫婦のコミュニケーションがとれていない
- 心と体が疲弊している
- 未来を考える余白がない
という状態です。
実際、夫の夜の不在は増えていました。負担が妻側に集中していく構造が、日々の暮らしの中で積み重なっていきます。けれど、これは決して「夫が悪い」という話ではありません。
夫も仕事を抱え、簡単に変えられない現実がある。
冷静に話し合うことの難しさ
「まるサポ」では、まずその家庭を知ることから始めます。CoBe-Techと共同開発したアセスメントツールを用いて、夫婦の関係性や子どもへの関わり方の傾向、そして親御さんそれぞれの特徴を丁寧に把握します。
そのうえで面談を実施し、困りごとを伺っていくのですが、T家のケースを通して、私たちが最も重要だと気づいたのはここでした。
日々の大変さゆえに、夫婦で冷静に対話ができなくなっていること。
妻はこう思っている。
「聞いてほしい。大変さを知ってほしい」
一方で夫はこう感じている。
「話す時間がない。解決策を出しても折り合いがつかない」
本当は、ぶつかりたいわけではない。でも日々の忙しさが、すれ違いを簡単に起こしてしまう。だからこそ、ここに第三者が入る意義がある。私たちは改めて強く感じました。
第三者が入ることで生まれる「余白」
私たちがまず提案したのは、「夫婦で話してみること」でした。家事代行でもなく、ベビーシッターでもなく。
家庭の中に第三者が入り、夫婦それぞれが何を考え、何を大切にしているのか。まずはお互いを知ることから始めました。実際の夫婦面談では、転勤という変えられない状況の中で、
「どうしたいのか」
「何が不安なのか」
「何を優先したいのか」
を丁寧に言語化していきました。
メリットやデメリットを付箋に書き出し、貼り出しながら、まるサポ側で整理していきます。
こうして思いが可視化されたことで、夫からは
「前より意識して、ワンオペをどう支えるか考えたい」という言葉が出てきました。
さらに、夕方の最も大変な時間帯に「暮らしのサポート」を入れること、ファミサポやシッター導入で朝夕の負担を軽減していくこと。夫婦で現実的な選択肢を一緒に考え、答えを出すことができました。
そしてもう一つ大きかったのは、「2人目をどうするか」という未来についても、夫婦で意識をすり合わせられたことです。
物理的な余白が生まれると、心にも余白が生まれる。その結果、「2人目妊娠」が少しずつ現実味を帯びていきました。
「もう一人」が現実になった日
夫の転勤も正式に決まり、T家は新しい生活の形を選びました。夫は単身赴任で週末に帰ってくる。妻は平日はワンオペになる。
けれど今回は、「一人で抱え込む」生活ではありませんでした。夫婦で話し合い、第三者に頼ることも含めて、一緒に決めた暮らしがスタートしました。
そのライフスタイルが少しずつ循環しはじめた頃、私たちに届いた知らせがあります。
「第2子を妊娠しました」

「もう一人なんて無理」と言っていたご家庭からの報告でした。そのときのお母さんの、とても嬉しそうな表情が今でも忘れられません。
夫婦のコミュニケーションが少しずつ整い、暮らしに物理的な余白が生まれる。
そしてその余白が、心の余白を取り戻していくのだと感じました。
「産みたいけれど迷っている」
「踏み込めない」
「余裕がない」
そんな家庭は、日本中にきっとたくさんあるのだと思います。T家のケースを通して、私たちは多くのことを学ばせてもらいました。
少子化というと、経済的支援や制度整備の議論が中心になりがちです。もちろんそれらは必要です。
でも同時に、家庭の中に「余白」と「対話」が戻れば、未来は変わり得る。
できることはまだまだたくさんあるのだと、強く実感しました。
そのために、夫婦だけで抱え込まず、第三者が支える仕組みが本当に必要なのだと思います。
まるサポには、その意義がある。
そう確信した出来事でした。
T家はその後、里帰り出産を経て、夫の転勤先の地域へお引っ越しをされました。
しばらくして届いたのが、
「無事に産まれました!そして、まるサポに心から感謝しています」
という報告のLINEでした。
そのメッセージは、私たちにとって本当に宝物です。
この取り組みの意味を改めて実感させてもらった瞬間でした。
新しい土地での暮らしが、穏やかであたたかなものになりますように。
そしてまたいつか、どこかでお会いできる日を楽しみにしています。
▼BEFORE まるサポ開発舞台裏④「まるサポ」にしか作れない強みは、こうして生まれた~生成AIは、現場をどう変えたのか~
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