
(2025.05.01更新)
代表長谷亜希ノート
23時半の寝かしつけから21時台へ。“まるサポ”で暮らしが変わった日々
現在ノーベルでは、新事業「子育て家族のまるごとサポート(通称:まるサポ)」のモニター期間を経て、リリースに向けて、マーケティング戦略の構築、サービス設計、システム開発などなど、急ピッチで進めています。
今回は、その「まるサポ」の実証モニターとしてご協力いただいたご家庭の事例を紹介します。「まるサポってどんなサービス?」「どんな変化が起きるの?」──そんな疑問にお応えできるよう、ひとつの家族の“リアルな変化”を追いました。
毎日が精一杯。行政の窓口に行っても、ファミサポに問い合わせても解決できなかった。
2024年4月。最初にお話を伺ったとき、ご夫妻は4ヶ月の女の子と3歳の男の子、2人の子育て真っ最中でした。お母さんは育休中。お父さんは朝8時から夜21時まで仕事で不在。
日々の暮らしは、目の前のことで精一杯という状況でした。
「夕方、保育園の帰り道。公園で子どもがなかなか帰らず、5分の距離を1時間かけて帰る。帰れば“お腹すいた”と泣かれ、お菓子でごまかす日々。結局、作ったご飯もあまり食べてもらえない。お風呂、寝かしつけ…全部が後ろ倒しになって、子どもが寝るのは23時半。夫が帰ってくるまで待って、それからお風呂に入って、毎日ぐったり…」
育休中とはいえ、産後のカラダで4か月とイヤイヤ期真っ只中の子どもを同時にみながら、誰にも頼れない。体調も優れない。お父さんもできるかぎり、朝と夜に家事をしていましたが、お互いに疲れ切っていることは明らかでした。夫婦でのコミュニケーションもギスギスし、ケンカも多くなってきました。
お母さんは限界がきて、行政の窓口に相談。ショートステイを進められたけれど、現実とは合わず、ファミサポに問い合わせるもマッチングができず。勇気を出して「頼ろう」とした気持ちは、叶わないまま終わってしまいました。
※ショートステイ:保護者の方が、病気や出産、仕事の都合などで一時的にお子さんの養育が困難になったときに、宿泊を伴うかたちでお預かりします。
※ファミリーサポート:行政が実施している子育て支援のための相互援助システムです。
まるサポとの出会い。「わたしたちの暮らしを、整理してみる。」
そんなとき届いたのが、ノーベルからのメールマガジン。
「“まるサポ”という新しいサービスのモニター募集」のお知らせを見て、お母さんは思いました。
「今のぐちゃぐちゃな暮らしを、なんとか整えたい──」
こうして始まった、まるサポチームとの「暮らしの作戦会議」。
- 最初に取り組んだのは、家事と育児の“見える化”でした。
夫婦とガイドの3人で、家事・育児タスクを洗い出し、整理して家事分担表をつくってみました。
(実際に家事育児の見える化をした際の資料)
- 次に、子どもの生活リズムを整えることを目標に、「21時に寝かしつけ」をゴールとしたタイムスケジュールを一緒に作成しました。
そして、子どもとも一緒に共有するためにケアスタッフたちがボードを作成。お母さんには事前にボードを使って1日の流れを説明してもらい、「朝起きたら、お父さんとタッチしてバイバイしよう」(※お父さんは毎朝、子どもたちが寝ているときに家をでていた)と伝えたり、「帰ってきたら先にお風呂入ろうね」と伝えるといいですよと、声掛けのサポートもしました。
- さらに、作成したスケジュールどおりにできるよう伴走します。夕方の時間帯にケアスタッフが訪問し、保育園へのお迎えからお風呂、夕飯までのサポートを導入。
スタッフが「帰ったらA君の好きなトミカで遊ぼうね!」「おやつ守れたね!シールはろう!」「ごはんはおにぎりを小さく一緒につくってたべてみよう!」などなど、声をかけると、子どもたちは自然とスケジュール通りに進むように。
お母さんも「一緒にやってくれる人がいる。それだけで毎日が変わりはじめた」と振り返ります。
変化は、ある日突然やってきたわけじゃない
サポートが始まってしばらくは、お母さんからLINEで家事分担を決めたのに「夫がやってくれない」と不満のメッセージが届くこともありました。
でも少しずつ、変化は積み重なっていきました。
お子さんの寝かしつけは、当初の23時半から21時台へと前倒しに。
朝も自分から起きてくるようになり、夜時間に“ゆとり”が生まれ始めました。
お父さんが帰ってきたら「“もうお風呂入ったよ!」と子どもが笑顔で迎える──そんな夜が少しずつ増えて、家の中も穏やかになりました。
お母さんとお父さんが言ってくれた言葉が、印象的でした。
▼お母さん
「今はスケジュールがあるから“ここまでやったら休める”と思えるようになった。前は夫を待ってばかりで動けなかったけど、今は自分から動けるようになったんです」
子どもも、ルーティンがわかることで自信をもって動けるように。家庭の中に、“誰かと一緒に進む”リズムが育まれていきました。
▼お父さん
「家事ってこんなにあるんだと初めて知った。ボードで見える化されたことで、妻が頑張ってくれてることも見えた。今はスケジュール通りにやっていけるように、自分も頑張りたい」
第三者が入ったことで、夫婦の間に“冷静な話し合いの時間”も生まれました。「ふたりだけだとどうしてもケンカになってしまってた」と。ガイドという存在が、家庭の対話を前向きなものに変えたのです。
両立に、理想はいらない。昨日よりちょっと、うまくいく日常を。
改めて「まるサポ」の図を貼ってみます。
▼概要図
▼サポートの流れ
この事例を読むことで少しはまるサポのイメージができましたか?「まるサポ」は、完璧な両立を目指すための支援ではありません。毎日バタバタして、うまくいかない日があってもいい。少しずつ、一緒にチームで進んでいけるようになれば必ず変化が生まれます。
「まるサポ」は、家族の暮らしに伴走する“チーム”をつくる取り組みです。
モニター期間を経て、たくさんの学びがありました。それらを活かし、さらに多くのご家庭にこのサービスを届けられるよう準備中です。
楽しみにしていてください!
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